「女性専用車両」は、男性差別か?

優先席と同様、専用車両は必要だ

アベノミクスでも注目を浴びる、「女性の活用」。一見、聞こえのいいこの言葉、実は大きな問題をはらんでいるという。本連載では、そんな「男と女」にかかわるさまざまな問題を、異色の男性ジェンダー論研究者が鋭く斬る。
JR京浜東北線の優先席の割合は、約9%。女性専用車両の割合は、1両÷10両で、10%だ。

「痴漢は犯罪です」という駅のポスター、私は最初に見たとき、「はぁ?」と思ってしまいました。「強盗は犯罪です」というポスターはないでしょう。なぜそれと同じような犯罪を「犯罪です」とわざわざ強調し、啓発しなければならないのでしょうか?

女性差別の問題を扱っていると、必ずと言っていいほど、「女性専用車両は男性差別ではないのか」という反論を受けます。「逆差別」か否かが問題となるのですが、これは痴漢が歴史的には比較的新しい存在で、まだ「犯罪」としての理解が進んでいないから起きる現象なのかもしれません。

女性専用車両の歴史は古く、1912年の中央線にさかのぼります(その後、廃止されたわけですが)。当時は「婦人」が男性と近接する状況自体を避けるべきと考えたからで、かなり古典的な空間感覚です。現代はもっと男性と女性の体が密着しています。

電車の優先席は「健常者差別」だと思いますか? もしそうでないとすれば、犯罪に特に遭遇しやすい人たちのために、空間を確保するというのは、優先席と同様に社会が認めるべきことではないでしょうか。

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