2027年「リニア」、いよいよ今秋着工へ ついに総額9兆円の巨大プロジェクトが始動

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山梨県のリニア実験線を走行する、営業仕様の第1世代「L0(エルゼロ)系」。先頭長は15mで三菱重工業が受注した(撮影:尾形文繁)

新幹線開業から半世紀、ついに今秋リニア着工へ

1964年10月1日6時0分。この日、超特急の東海道新幹線が開業、「ひかり」1号が東京駅から出発した。最高速度は時速210km。東京―新大阪間を、「ひかり」は4時間、「こだま」は5時間で結んだ。

実は新幹線は戦前から一部の工事が始まっていたため、中断を挟み1960年に工事を再開。以来、わずか約5年で、完成にこぎつけたのである。在来線と切り離した専用軌道、ATC(自動列車制御装置)の導入など、当時の設計思想は、今もしっかり受け継がれている。その9日後には東京オリンピックが開催。日本は高度成長期の真っただ中にあった。

それから半世紀。この10月に新幹線は満50歳を迎える。それとほぼ同時期に着工を迎えるのが、超電導で浮上走行する「リニア中央新幹線」(以下「リニア」)だ。

リニアでは、車両に搭載した「超電導磁石」と地上にあるコイルで生じた磁力によって、車両を浮上・推進させる。超電導とは、ある種の金属を一定温度以下まで冷却することによって、電流が永久的に流れる状態を指し、きわめて強力な磁力を持つ。リニアの場合、ジオブチタン合金をマイナス269度まで冷却している。N極とS極で吸引し合う力、N極同士・S極同士で反発し合う力を利用し、浮きながら前に進んでいるというわけだ。

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