「消費者参加型企画」を成功させるには? なぜ、あの人のクチコミは影響力があるのか(3)
SNSが台頭するなかで、特別な影響力を持つキーパーソンを、どうつかまえばいいのだろうか。また消費者が、思わず発信したくなるネタとはどんなものか。
この連載では、『キーパーソン・マーケティング』(東洋経済新報社)を上梓した、慶應ビジネス・スクール准教授の山本晶氏が、アカデミックと実務の両面から、クチコミマーケティングに関するさまざまなヒントを綴っていく。
最終回(第3回)は、「消費者参加型企画」を成功させるにはどうすればいいかについて、探る。
キーパーソンと、共同で価値を創造しよう
ソーシャルメディアや企業のウェブサイトにおいて、消費者が企業の製品開発プロセスに参加する取り組みは珍しくなくなってきました。自社の担当者のみで何かを企画立案実施するのではなく、顧客やサプライヤー、パートナーといった企業ネットワーク内のプレーヤーの協力を得て、新たな商品価値を作り出したり、顧客の体験価値を高めたりする手法のことを、コ・クリエーション(価値共創、共同創造)と呼びます。
消費者参加型コミュニティでは、コンテンツが自動的に生成・蓄積されていくため、自力・自走する車といえます。参加する消費者を製品開発などの企業プロセスの内部に取り込むことによって、顧客との関係性を強化し、外部ならではの新しい視点を製品・サービスに取り入れることができます。また、コ・クリエーションの取り組みは顧客重視の姿勢を対消費者、対販売店といったステークホルダーに表明することができます。さらに、こうした取り組みはニュース価値があるため、PR効果も期待できるのです。
トピックボードAD
有料会員限定記事
ビジネスの人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら