サザエさん「5連続パー」を奇跡だと感じる理由 統計学上、出る手の確率はいつも同じだが…
中野:テレビアニメの「サザエさん」(2020年6月7日放送回)で、次回予告の後に行われるジャンケンにおいて、サザエさんが「5回連続で同じ手」を出していると話題になりました。
私は、まったくありえる話なのに、皆が奇跡だと思っていることこそが面白い、と感じました。
これは統計の誤謬。これには皆さんもだまされてしまうようで、株式市場などマーケットの世界でも、同じようなことは起こるそうです。
今回はマーケットの動きについて、行動経済学と脳科学の分野から分析していきたいと思います。
株が3日連続で上昇すると翌日は下がる?
真壁:日経平均株価が3日連続で上昇したとしましょう。では、4日目もこのまま上がるのか、それとも下がるのか?
「3日も連続で上がったから、そろそろ下がるかもしれない」 ――。株式投資をやっている人ならば、こんなふうに思った経験があるのではないでしょうか?
また、連騰が続いたので、そろそろ下がるだろうと思って買いポジションを処分したところ、まだまだ上がって悔しい思いをした、そんな経験がある人も多いかもしれません。
これは行動経済学でいうところの、「ギャンブラーズ・ファラシー(ギャンブラーの誤謬)」というテーマです。
株価が3日続けて上がる話と同じように、例えばルーレットを回して赤が3回続けて出たとします。そうすると、多くの人が「4回目は、そろそろ黒が来るだろう」と思い込んでしまいがちなのですが、実際に次のルーレットで出る色の確率は変わっていません。