「10分でポテサラ完成」料理研究家が明かす秘技 たった“2つの工夫"で料理が今より楽になる

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大事なのは、グラデーションです。「絶対に全部手作りじゃなきゃダメ」と思っている人、逆にまったく台所に立たず、毎日カップラーメンにお湯を注ぐだけというような人は、極端な選択肢しか選べません。色で言えば、黒と白しかない状態。

しかし、料理の選択肢を増やし、幅を広げることで、「ちょうどいい」を知ることができます。カップラーメンに刻んだ長ネギを乗せて、卵を落とす。これも立派な料理です。あるいは、冷凍餃子をメインのおかずにして、冷蔵庫に余っているもやしをレンジで温めれば、もう一品できちゃいます。キュウリを軽く塩もみしてもいいでしょう。これで、ご飯をたけば、メイン料理と副菜2品がテーブルに並びます。完成度は置いといて、「ちょうどいい」献立ができるのです。

オールインスタントでは、「ちょうどいい」が選べません。食卓に並ぶ食事のうち、一品を「アウトソース」したら、一品は自分で作るといった選択ができる。それがグラデーションです。

自由に選べるというのは大きな価値です。いまはコンビニのお弁当もあるし、冷凍食品もあるし、テイクアウトもある。逆に、変わった野菜を買って難しい料理に挑戦することだってできます。選択肢に溢れていて自由な発想で料理できるのが、いまの時代の特長でもあります。少しがんばって選択肢を増やすだけで、毎日の食卓にも彩りが生まれるのでぜひチャレンジしてほしいです。

もう1つのアップデートは「時短」

もう1つアップデートするなら、調理時間の短縮でしょう。女性の社会進出が進み、共働きが当たり前になったいま、男性、女性関係なく、「料理は限られた時間でサッとやる」という意識変革が必要です。

とんかつを作るときは、お肉に味付けをして、パン粉、卵をつけ、適温で揚げる……。プロの料理人でも難しい作業を、クタクタになるまで働いて帰宅した身体でこなすのは至難の業。労働環境が変化して、相対的に料理のハードルが上がりすぎてしまっている。まずは、そこに気付き、改善する必要があります。

私が幼いころ、立ちっぱなしで家族のためにご飯を作り、みんなが食べ終わった後に冷えたごはんを口に入れる母の姿が、子どもながらにすごく寂しく映りました。「お母さんを楽にさせてあげたい」――私が「時短レシピ」を考案するようになったのは、お母さんが座って、家族と食事をする時間を増やすためでした。私自身ブラック企業で働いていた経験もあり、「疲れ切った状態でもササッと作れる」レシピのニーズはひしひしと感じます。

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