「10分でポテサラ完成」料理研究家が明かす秘技 たった“2つの工夫"で料理が今より楽になる

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海外を見渡せば、毎食、一汁一菜を用意する国のほうが珍しく、日本ほど料理に手間ひまかける国はほかにはありません。ドイツには、火を使わずに準備できる軽い食事で済ませる「カルテスエッセン(冷たい食事)」という食文化がありますし、東南アジアだと1日1回は屋台を利用します。毎夕に買い物、下ごしらえして、1日3食、副菜まで用意する日本の食文化は世界に誇れる素晴らしいものですが、なにせ負担が大きすぎます。

また、男性がもっと料理をしてもいいと思っています。現代は共働きが当たり前で、男性も家事をする時代です。かつて武士の家では、男性の料理番を抱えていました(あの伊達政宗も厨房に入って料理していたほど)。

室町時代の武士で江戸城をつくった太田道灌が「鍋づくり」の名人だったとも言われており、兵糧を調理する習慣があった当時の戦国武将の料理の腕前はなかなかだったようです。歴史を振り返れば、「男性は料理をしない」という考え方自体、珍しいことなのかもしれません。

「料理は手間をかけなくてはいけない」「男は料理なんてしなくていい」という考え方は、そろそろアップデートする時期に来ているのではないでしょうか。

「ちょうどいい」料理をつくればいい

では、どうやって「料理」をアップデートすればいいのでしょうか。

一つは、価値観の相違に目を向けるのではなくて、多様な選択肢を用意する。先ほどのポテサラ論争でいうと、世代間で価値観の相違が生じてしまうのは、仕方がないことです。70代のおじいちゃんに、いまの若い人の価値観を理解しろと言っても難しい。

そこで、料理の幅を広げてみてはいかがでしょうか。たとえば、すべてお惣菜で済ませる日があってもいいし、時には外食してもいい。逆に、3食手作りという日があってもいい。ごはんと椀物のほかに主菜1皿、副菜2皿すべて手作りしている家もあれば、1品だけ買うケースもあるでしょう。これなら、どんな家族形態でも満足します。

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