来夏まで「在宅勤務延長」続く米国企業の悩み

ハイテク企業は来年7月まで在宅勤務を決めた

フェイスブックは5月、パンデミック後も多くの従業員がリモートで働けるようにすると、いち早く発表。ツイッター、コインベース、ショッピファイも同様の動きを見せている。10月に入ってからは、マイクロソフトもこうした流れに加わると表明した。

リモート期間の延長に、働き方改革。これはコロナ禍の中で、企業が延々と難しいかじ取りを迫られ続けていることを意味する。これまでの仕事の常識が崩れ、生産性を上げるにはオフィスで働くのが一番、といった定説がひっくり返ってしまったからだ。経営者は別のプレッシャーにもさらされている。事業運営方針を前もってできる限りオープンにしておかないと、従業員の生活を混乱させることにもなりかねない。

オフィス勤務再開の延期が繰り返されていることは、「これが短期間で終わると考えていた人にとっては精神的な打撃となっている」と、リモートワークに詳しいハーバード・ビジネス・スクールのツェダル・ニーリー教授は指摘する。

「予想していたのと違ってワクチンがすぐに完成することはない、私の人生は今のまま進んでいく、対処する方法を学ばないと——。そんな厳しい現実を突きつけられることになったからだ」

グーグルの「7月」がベンチマークに

最近の状況は、空港で遅延の繰り返されるフライトを待ち続けるのに似ているとニーリー氏は話す。大幅な遅延がやっと告げられたことで、目先の状況にやきもきさせられることなく、次の計画が立てられるようになったということだ。成功している企業は「当座しのぎではなく、長期的にどうするかを考え始めている」。

アメリカ企業の多くが手本にするのは、グーグルやフェイスブックといったシリコンバレーのテック企業だ。こうした企業の中には、3月にコロナが全面的に猛威を振るい始める前から在宅勤務が許可されているところもあった。パンデミックが始まってからは、フェイスブックがリードする形で恒久的なリモートワークの流れが強まり、オフィス勤務の再開予定についてはグーグルが示した「2021年7月」があらゆる企業の目安となった。

ドキュサインのバーク氏は、オフィス勤務の再開時期が2021年6月になると伝えたら「会社全体に安堵感が広がった」と話す。少しずつ日程が延期され、不透明感が強まる悪循環に終止符が打たれたためだ。

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