東大に受かる子がやっている「数学」勉強のコツ 東大受験専門塾「鉄緑会」講師が教える
東大に受かる生徒・落ちる生徒
私は、東大受験指導専門塾「鉄緑会」で21年間数学を教えてきました。鉄緑会は、東京・大阪・京都などに校舎を構える塾で、2020年度の東大合格者数は515人、そのうち最難関の理科三類については定員100人中59人を占めています。
鉄緑会で長い間中高生を見ていると、東大に受かる生徒、受からない生徒の特徴がよく見えてきます。そのうちのいくつかを紹介し、そこから数学の正しい勉強の仕方について探っていきたいと思います。
世間で「数学は暗記か」という命題が取り沙汰されることがありますが、答えはイエスでもあり、ノーでもあります。というのは、この質問への答えは学習フェーズにもよるし、解く問題にもよるからです。
入試数学の基礎を学んでいくフェーズでは暗記の割合が大きいでしょう。たくさんの公式が出てきて、それを適用する練習をさらにたくさんしなければなりません。そこにオリジナリティーを発揮する余地はありません。
これはスポーツでも同じです。野球でもテニスでも柔道でも水泳でも体操でもゴルフでも、まずは基本の「型」を徹底的に身に付けることから始まります。それには長い時間がかかります。
数学の勉強でも同じです。数学の論理展開にも、答案の書き方にも、一定の「型」があり、それを逸脱した答案というものは、オリジナリティーなどというものではなく、単に相手にされないだけです。どんなに素晴らしい解法も、どんなに斬新なアイデアも、数学の答案である以上、基本的な「型」は同じです。まずはこのことをしっかり意識しましょう。「自己流」はダメです。
もちろん、無機的に暗記するというより、「基本動作を何度も何度も繰り返し、自分の身体に覚えさせる」という意味合いのほうが強いです。
ただ、それだけで東大入試を突破できるかと言えば、さすがにそんなことはありません。
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