東大に受かる子がやっている「数学」勉強のコツ 東大受験専門塾「鉄緑会」講師が教える
『本田宗一郎という生き方』(宝島社)という本に、次のような一節があります。本田宗一郎とは、世界的自動車・オートバイメーカーである本田技研工業(Honda)の創業者です。
最後の部分は数学の勉強でも当てはまります。結局ダメだった考えを、ダメだったからと言ってすぐに捨てて、模範解答に書いてあるものだけを理解しようとする人がいますが、その方法は短期的にはいいかもしれませんが長期的には成長につながりません。
ダメな手法も含めて試行錯誤してはじめて、見込みのある手筋とそうではない手筋の違いがだんだん見えるようになってきて、試験の場においても短い時間で指針を決めることができるようになるのです。
また、河合塾の大竹真一先生による「先生方のための徹底入試対策講座」第63回にも、以下のような記述があります。ネットに公開されています。
この「1題で1題分以上の力をつける」というフレーズに、強く共感します。受験までに解ける問題の数は限られているわけですから、「今目の前にある問題から最大限のものを抽出し、吸収しよう」ということをつねに意識して勉強すべきです。
「環境」の違いは入試にも左右する
冒頭に述べたとおり、鉄緑会は昨年度の東大入試において理科三類の定員100人中59人を占めるなど、毎年高い実績を挙げています。手前みそながら、東大受験のノウハウに関してはわれわれの右に出る団体はないと自負しております。
私自身は九州の出身で、中学・高校時代は鉄緑会のことをまったく知りませんでしたが、東大入学後、はじめはアルバイトとして鉄緑会で働き始めました。それから長い間大学受験業界に携わってきた今、鉄緑会の生徒と昔の私のような地方の生徒との間にどのような違いがあるかを考えると、それはやはり「環境」です。
インターネット時代になり、情報格差はかなりなくなってきたとは言え、普段一緒に過ごす友人や先生から直接受ける刺激には計り知れないものがあります。
東大を身近に感じ、意識の高い人材が数多く集まっている場があるという点に関しては、都市部はやはり有利と言えるでしょう。
そうは言っても、地方であっても身近に尊敬できる人はいるはずです。実際に私もそうでした。自分でさまざまな本を読んで刺激を受けるだけではなく、そうやって仕入れた知識を共有する仲間がいました。友人や先生との会話の中で、新たな知見を得たり発見があったりするものです。自分だけでは到底到達できなかった高みに達することができたと感じています。
勉強していく中で、疑問に思ったことや何だかモヤモヤすることがあれば、ぜひ周りの人に聞いてみてください。
長くなってしまいましたが、数学を勉強していくうえでのアドバイスと、それを実践するための注意点を述べてきました。これを読んだ皆さんが、数学を楽しく勉強することができ、結果的に入試でもよい結果を残されることを祈っております。
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