新アップルウォッチ「健康機能」の意外な使い道

「血中酸素濃度」のデータをどう使うべきか

9月に発売された「Apple Watch Series 6」では新たに血中酸素濃度が図れるようになったが、このデータをどう生かしたらいいのだろうか(写真:REUTERS/Mike Segar)

新しいアップルウォッチは、一言で語れる。「血中酸素濃度」だ。

9月18日に発売になった「Apple Watch Series 6(アップルウォッチ・シリーズ6)」の特徴として最も重要なのが、血中酸素濃度を測定できることだ。

新型コロナウイルス感染症の重症患者は、血中酸素のレベルが低下する傾向にあるため、この機能は「ウィズコロナ」の現在では特にタイムリーだ(それ以外の部分では、昨年のアップルウォッチと大差ない)。

だが、実際のところ、この機能はどの程度、ユーザーの役に立つのだろうか。

血中酸素濃度の情報を得てどうする?

筆者はこの399ドルのアップルウォッチを1日かけてテストし、血中酸素濃度を測定してみた。測定の仕方は簡単だ。血中酸素のアプリを立ち上げて、手首を動かさないようにして、スタートボタンを押す。すると、時計の裏側についたセンサーが、光を手首に当てることによって装着者の血中酸素濃度を測定し、15秒後に結果を出す。筆者が3回測定してみたところ、血中酸素濃度は3回とも99%から100%の間だった。

ただ、この情報を得てどうすればよいのか、よくわからなかったので、医療の専門家2人にこの新機能について聞いてみた。2人とも慎重ながらも、この機能の潜在的なメリット、特に研究面でのメリットについてはプラスに捉えていた。彼らによると、ある程度の正確さで定期的に血中酸素レベルを測定することは、睡眠時無呼吸症候群などを発見するのに役立つ可能性があるという。

「継続的にデータを記録することは、傾向を見るという点で非常に興味深い」と、ミシガン大学の医療睡眠クリニックの医師、キャシー・A・ゴールドスタインは言う。ゴールドスタインは、アップルウォッチで収集したデータを調べた経験がある。

しかし、比較的健康な人であれば、血中酸素濃度を毎日のように測定すると、必要以上の情報を手にすることになるかもしれない。カリフォルニア大学サンフランシスコ校の心臓専門医、イーサン・ウェイスは、血中酸素の数値が人々を慌てさせ、不要な検査を受けることにつながるかもしれないと言う。

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