新アップルウォッチ「健康機能」の意外な使い道 「血中酸素濃度」のデータをどう使うべきか

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また、血中酸素の情報は、病気にかかっている人が病院に行くべきかどうかを判断するのにも使える。「患者が私に電話をしてきて、『自分はコロナに感染していて、いま血中酸素レベルが80%だ』と言ったら、私は『病院に来てください』と言うだろう」とウェイスは言う。

結局のところ、血中酸素濃度のデータ単独では、それがすぐに役立つことはなく、その情報をどう活用するかはユーザーが決めなければならない。アップルは、血中酸素の情報をどう扱うべきか、あるいはその情報に対してどう感じるべきかについては、何も言っていない。それは風呂場の体重計が、体重が多すぎるとは教えてくれず、ダイエットの計画もしてくれないのと同じである。

ゴールドスタインは、そのデータで不安が高まるようであれば、ただ単にその機能を使えないようにすればよいと言う。

睡眠時無呼吸症候群の発見には使える可能性

しかし、血中酸素の測定が、今日では単なる受け狙いのように見えたとしても、新しい健康モニタリングの技術が将来どんなメリットをもたらすかに関しては、偏見を持たずにいることが重要だ。

ゴールドスタインもウェイスも、ウェアラブル・コンピューターが役に立つ可能性がある分野として、睡眠時無呼吸症候群を挙げる。睡眠中に呼吸に問題が生じるこの病気には、アメリカでは数百万人が冒されているが、多くの人はその病気を持っていることに気づかない。

ここには1つ解決しにくい状況がある。もし、睡眠時無呼吸症候群の症状があるとわかれば、医師は検査をしようと決めることができる。血中酸素レベルの低下も、この病気の症状の1つだ。しかし、眠っている時には症状には気づけないので、医師が検査を決めることもない。

Apple Watch Series 6は、バックグラウンドで定期的に血中酸素を測定し、眠っているときも測定し続ける。だから、眠っている間のデータを収集すれば、自分自身について知らなかったことを発見するかもしれない。あるいは、発見しないかもしれない。

「始めてみるまでは、その情報が有用かどうかはわからない」と、ゴールドスタインは言う。

(執筆:Brian X. Chen、翻訳:東方雅美)
© 2020 The New York Times Company

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