新アップルウォッチ「健康機能」の意外な使い道 「血中酸素濃度」のデータをどう使うべきか

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「プラス面もあるがマイナス面もある」とウェイスは警告する。「病院に行かずに済み安心感が得られるかもしれないが、一方で、多くの不安を引き起こす可能性もある」。

スマートウォッチが健康状態をモニターする新たな機能を加えたら、ユーザーはそれをどう使うかを理解しなければならない。そのことは覚えておくべきだ。2018年に、「Apple Watch Series 4」が心電図を記録できる心臓センサーを搭載した時、すでに心臓に何らかの病気があることが分かっている人にとっては有用だった。

しかし、医師らが警告したのは、その機能を使って早合点すべきではないし、心臓発作やほかの病気について、自己診断すべきではないということだった。今回も同じことだ。

血中酸素濃度が下がっても慌てずに

健康な人であれば、血中酸素濃度は通常、90%代半ばから後半だ。ゴールドスタインによると、肺の病気や睡眠障害、呼吸器感染症などの病気があると、この数値が60%台から90%台前半に下がる可能性があるという。

もしApple Watch Series 6を購入して、自分の血中酸素の情報にいつでもアクセスできるようにするならば、そのデータについて考える枠組みをきちんと持っておくことが重要だ。ゴールドスタインは、まずかかりつけ医を持って測定値を共有できるようにし、年齢や持病など、体の全体的な状態の中にそのデータを位置づけられるようにすることが大切だと言う。

そして、医療的なアドバイスや診断に関しては、必ず医師に従うことだ。ゴールドスタインは次のように話す。もし、血中酸素濃度が大幅に下がることがあっても、必ずしも慌てる必要はなく、詳しく調べるかどうかを医師と相談すべきだ。反対に、血中酸素の数値に異常がなかったとしても、熱やせきなどの症状があるならば、医師にかからなくてよいという理由にはならない――。

時計ではなく、医療の専門家に、とるべき行動を教えてもらおう。

カリフォルニア大学のウェイスは、健康上の問題があることが分かっている人には、血中酸素のモニタリングは有用かもしれないと言う。たとえば、心不全に罹患した経歴がある人が、運動中に血中酸素濃度が低下することに気づいた場合、その情報を医師に伝えたら、医師は治療法を修正できるかもしれない。

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