インドで政権交代、日本への影響は?

地滑り的圧勝でインド人民党が10年ぶり政権復帰

投票を済ませIDカードにスタンプを押された女性有権者達(西ベンガル州、4月30日)「出所:PIB」

2014年4月から5月にかけてインド下院総選挙が実施され、ナレンドラ・モディ氏率いる中道右派政党インド人民党(BJP)が10年ぶりに政権に返り咲いた。543議席中、過半数を上回り、少なくとも282議席を獲得する地滑り的圧勝によって、単独過半数を握るのは実に30年ぶりとなる。歴史的な勝利による「強い政権の誕生」はなぜ起きたのか。今回の政権交代の意味、今後何が変わっていくのか。また「日本」「日系企業」「日本人駐在員」への影響を、日系企業のインド進出に詳しい株式会社ネクストマーケット・リサーチの須貝信一氏に聞いた。

州首相としての実績だけで勝利したのではない

――なぜBJPへ政権交代し、また歴史的な圧勝になったのか。よくいわれているのが「州首相としての経済の実績」です。

州首相としての経済運営の実績だけでは中央首相にはなれません。同様に経済成長をもたらして、3選された州首相というのはほかにも何人かいます。たとえば、インド東部にビハール州という最貧困州がありますが、近年は最も高い経済成長を示しています。これを率いたのが同州のニティッシュ・クマールという州首相で、その手腕が注目を集めています。州経済の実績ではモディより上です。州経済というのはバラバラです。いずれも高い経済成長を誇った州では、3選以上の長期政権になっています。

現政権への不満としては「景気の低迷」「汚職」と報道されていますが、これはまったくそのとおりで、それをここで答えても面白くありませんので、あまり語られないモディの人気をひとつ。それは「生まれの貧しさ」と「貧しくても学び、苦労して働いてきた」という生きざまです。駅でチャイ(インド式ミルクティー)を売っていた父親には6人の子供がいましたが、彼は3番目の子どもして生まれ、兄と一緒に屋台でチャイの売り子として働いていました。つまり、インドのどこにでもいるような人だったわけです。

次ページ低カースト出身だが社会主義でなく新自由主義を唱える
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナ後を生き抜く
  • 今見るべきネット配信番組
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 森口将之の自動車デザイン考
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ついに上場廃止、大塚家具の末路
ついに上場廃止、大塚家具の末路
日本初、「工場を持たない」EVメーカー誕生の衝撃
日本初、「工場を持たない」EVメーカー誕生の衝撃
日本人に多い「腸を汚すフルーツの食べ方」4大NG
日本人に多い「腸を汚すフルーツの食べ方」4大NG
男性も入れる?新業態『ワークマン女子』の中身
男性も入れる?新業態『ワークマン女子』の中身
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
2050年の中国<br>世界の覇者か、落日の老大国か

米国と並ぶ超大国を目指す中国。しかし中国の少子高齢化はこれまでの想定を超える速さで進行しています。日本は激変する超大国とどう付き合うべきか。エマニュエル・トッド、ジャック・アタリ、大前研一ら世界の賢人10人が中国の将来を大胆予測。

東洋経済education×ICT