「宝島社」絶好調の理由、女性誌付録だけじゃない!

拡大
縮小
「宝島社」絶好調の理由、女性誌付録だけじゃない!

東急田園都市線、溝の口駅。改札を出た女性たちが次々と、カルチャーエージェント文教堂・溝の口南口店に吸い込まれていく。

今や付録付きが当たり前の女性誌。同店では付録を別途取り出してお客が手に取れるようにした。そうした中でも売れているのが宝島社(以下、宝島)の女性誌『スウィート』。

1月発売号は1週間で150冊が売れ、他の店舗から回してもらった50冊もあっという間に売り切れた。「1月号は通常号の3倍近い部数を仕入れたが全店舗で完売となった」(雨宮央・文教堂書店営業企画部次長)という。

「一番誌戦略」の大号令 一気に230円値下げ

出版不況下、業界の2008年度販売金額は、ピークの1996年から25%も減少。大手出版社も巨額の赤字に苦しんでいる。その中で気を吐くのが宝島だ(下グラフ)。冒頭の1月発売の『スウィート』は105万部印刷して97万部売れた。実に消化率92%。

日本ABC協会によれば、09年上期の発行部数は『スウィート』が前年同期比144%、同じく宝島の女性誌『インレッド』が同146%、『スプリング』が120%と、全雑誌の伸び率上位3位を独占した。まさにぶっちぎりの独走態勢。それは緻密な仕掛けが生んだ“必然”だった。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT