「宝島社」絶好調の理由、女性誌付録だけじゃない!

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小


 宝島では広告ページの原価は広告部門が負担する。その結果、編集原価が浮き、付録にカネが使える。

実は付録は04年から全誌に付けてきたが、マーケティング会議を開くようになってから、より戦略性が増した。たとえば同会議で1月発売の『スウィート』を100万部発行すると決めたのが昨年夏。強力な付録は「ど真ん中の『シェル』のトートバッグで行く」(渡辺編集長)と決まった。100万個の付録を作るのに半年の時間が必要だった。

こうなると付録自体が商品力を持つ。究極の形がブランドムック。丸ごと一冊ブランドの新商品情報で網羅し、限定品の付録を付けて1000~3000円台。ブランド直営店でも手に入らない希少さが受けた。09年11月発行の『イヴ・サンローラン』は100万部を売り切った。

出版流通にあくまで固執潜在力見抜きCDも発売

読者だけではない。さらには書店も味方につける作戦を実施した。

宝島の書店対策はきめ細かい。09年4月には書店・取次担当者約60名を招いて印刷工場見学ツアーを開いた。リムジンを用意して凸版印刷まで移動、印刷現場を見学した。9月には『スウィート』など3誌をより理解してもらうためのバスツアーを企画。80名の書店担当者と東京のファッションエリアを回り、各編集長と話ができる機会を作った。

実際に印刷現場を見たり、編集長と話ができる機会に、書店・取次担当者からは大好評を博した。

09年12月に発売したブックレット付きCD『シャツを洗えば』(くるりとユーミン)も業界で話題を呼んだ。メジャーレーベル所属の歌手が音楽流通ではなく、出版流通に乗せて新曲を発売したのは初めての試み。発売1週間で4万部売った。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事