「宝島社」絶好調の理由、女性誌付録だけじゃない!


 肝心の広告面でも、一番誌戦略の結果は数字に表れた。エム・アール・エス広告調査によると、07年1月~08年10月に広告出稿量が増加した月刊誌の順位は、1位『スウィート』、2位『インレッド』。『スプリング』も4位につけた。『スウィート』は07年632ページだった広告ページが、08年には1375ページと倍増した。

誌面作りへのこだわり 付録作りにおける徹底

大勢の読者に受け入れられた条件は、もちろん誌面にもある。

たとえば、『スウィート』のコンセプトは「一生女の子宣言!」。女性誌では一般的な、年齢や職業で読者を限定しない。30代だろうが40代だろうが、“一生女の子”でありたいと願う女性にファッションを提案する。「コアな読者が何を欲しがっているかより、読んでいない人にいかに読んでもらえるか、つねに考えている」と渡辺佳代子編集長は話す。

「情報満載だが写真はあまり小さくしない。安っぽくならない写真の大きさがある」(渡辺編集長)と、独自の視点から誌面構成を練る。

ありがちな人生相談や映画紹介はない。外国人モデルは使わない。男性の目を意識した着こなしや通勤服の提案もしない。あくまでも自分のための“一生女の子”宣言。「子どもっぽくても安っぽく見えない着こなしがいい」(銀行勤務、30)、「カジュアルの絶妙な世界観に共感する」(編集者、30)など、ぶれないコンセプトに読者は集まった。

一方で、「購入理由は付録。雑誌の内容に関係なく買ってしまう」(派遣女性、29)という声も多い。実は、現在の女性誌付録ブームの火付け役は宝島である。

同社の付録戦略は徹底している。オマケの域を超える質を1回限りではなく恒常的に提供、海外生産でコストを下げる。付録の制作はデザインから工場選定まで編集部員がかかわる。ロンドンまで1泊3日でサンプルを見に行き、中国の工場まで自ら赴くことも珍しくない。「編集部員は連載ページの一つ、という感覚で作っている」(渡辺編集長)。

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 離婚親の選択
  • 御社のオタクを紹介してください
  • 競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 若者のための経済学
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
地盤沈下に抗う<br>国際金融都市・ロンドンの秘策

強気の姿勢を押し出すジョンソン氏が首相に就任し、「合意なきEU離脱」が現実に迫る金融街シティー。逆境下で推進するフィンテック、グリーンファイナンス、人民元ビジネスの戦略を現地ルポ。イングランド銀行副総裁のインタビューも。

  • 新刊
  • ランキング