異常な米大統領選はどこまで織り込まれたのか

11月3日の投票日はもはや「ゴール」ではない

マーケットは「バイデン大統領」だけでなく「トリプルブルー」などのリスクをどこまで織り込んでいるのだろうか(写真:ロイター/アフロ)

この1カ月弱、S&P500種指数など9月初旬に過去最高値をつけたアメリカ株市場は、やや調整局面にある。要因は複数挙げられるだろうが、大統領選挙に関する不確実性が高まっていることが、最も大きな株価下落要因だとみられる。

市場はバイデン大統領のリスクを意識し始めた?

まずは、8月まで上昇していたアメリカの株式市場は、大統領選挙をほとんど意識していなかったと思われる。主要メディアでは、世論調査などからジョー・バイデン候補が優勢であると頻繁に報じられた。だが、2016年の経緯から事前の世論調査は当てにならず、そしてバイデン氏優勢の方向について、世論調査のバイアスがあることが広く認識されている。当てにならない世論調査をみる必要はなく、「大統領選挙直前まで勝敗は不明」と多くの投資家が考えていたので、材料にはならなかったと思われる。

さすがに9月になると、ドナルド・トランプ大統領の支持率がやや持ち直しているものの、依然バイデン政権誕生の可能性が相応にある情勢となっている。バイデン氏が掲げる増税、再分配、環境重視などの政策が、経済活動や株式市場へ悪影響をおよぼすリスクが意識されても不思議ではない。バイデン氏は、法人税などの増税に加えて、不動産や株式などのキャピタルゲイン増税も提唱しており、これらが実現すれば株式市場などリスク資産全般に重しがかかるリスクがある。

また、8月まで続いたアメリカの株高は、大手ITハイテク株の上昇で説明できる部分が非常に大きかった。政治的な不透明要因は、バリュエーションが膨らんだ値ガサ株に影響を与えやすい。さらに、民主党の一部有力者は、大手IT企業などの解体を主張しており、株式市場の牽引役である大手企業に逆風が吹くリスクもある。

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