不器用で「生きづらい子」を生きやすくする方法 すべての子に役立つトレーニングがある
コグトレとは、「認知機能に特化したトレーニング」で、Cognitive(コグニティブ:認知)とTraining(トレーニング)の頭文字をとったものです。コグトレには、目的別に次の3つのトレーニングがあります。
② 認知ソーシャルトレーニング(→社会面) Cognitive Social Training:COGST
③ 認知作業トレーニング(→身体面) Cognitive Occupational Training:COGOT
これらは、子どもたちの認知力、対人力、身体力アップを目指し、学校や社会で困らないために必要な3つの面(学習面、社会面、身体面)を改善・強化して、子どもを支援するための包括的プログラムです。
この「コグトレ」は、現在では、全国の小・中学校を中心に多くの教育機関で取り入れられ、数万人の子どもたちに届いています。
私が見てきた非行少年たちの中でも、とくに印象的な変化を見せてくれたのは、入所時の知能検査ではIQ50程度(平均は100)だった少年です。いつも、ほとんど会話が通じずにボーッとした感じだったのですが、コグトレにハマり、まったくと言っていいほどの別人になりました。少年院での運動会でも少年院生を代表してあいさつし、「将来は大学に行きたい」と言うまでになったのです。
ほかにも、コグトレによって驚くべき変化を見せてくれた少年たちが多くいました。
大人のペースだけで進めないこと
では、実際にこの「コグトレ」の一部をご紹介しましょう。
「認知力アップ」「対人力アップ」「身体力アップ」の3種類のワークから、それぞれ1つずつピックアップします。
このコグトレを始める前に、次の5つのことをシミュレーションしておきましょう。
②子どもはそれに対してどんな気持ちになると思いますか?
③子どもはどうなりたいと考えていると感じますか?
④コグトレをやることで、子どもにはどんなメリットがありますか?
⑤あなたはどのように子どもの伴走をしますか?
ここで注意していただきたいのは、子どものペースを確認せずに、大人のペースだけで進めてしまうことです。子どもに過剰な期待をかけて無理強いしないよう、しっかりそれぞれの子どものペースを見ながら進めていきましょう。
どんなことでも続けていくことで効果が見えてきます。そもそも続けられなければ意味がありません。コグトレが続くポイントは次のとおりです。進める際に気をつけてみてください。
・強制的にやらせない
・できなくても、やらなくても叱らない→NG例「何でできないの⁉」
・ほかの子と比較しない→NG例「○○君は、ちゃんとやっているのに!」
・ほどほどでOK(正答数や実施数などで高い目標を目指さない)
無料会員登録はこちら
ログインはこちら