不器用で「生きづらい子」を生きやすくする方法 すべての子に役立つトレーニングがある

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身体力アップのワーク 静止模倣

<ねらい>
相手の身体の動きをまねることで、観察力や身体の使い方を学ぶ。また身体を使った作業や仕事の内容を身に付けることに役に立つ。

<進め方>
子どもと向かい合い、大人がしているポーズを模倣してもらう。①ポーズを見ながらまねる、②大人のポーズを覚えさせる、③覚えてからまねる、④物との関係性もまねる、の順で行う。

『不器用な子どもがしあわせになる育て方 コグトレ』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

<ポイント>
・提示するポーズは手や腕の場合、片手のみ、両手(体の正中線を越えない)、両手(片手だけ正中線を越える)、両手(両手とも正中線を越える)を使う、の順で難しくなる。最初は片手だけでOK。
・手や腕以外にも、下肢や頭の向き、指の形、上下肢・頭・指を組み合わせたポーズなどを加えることで難易度が変わる。子どもの発達に合わせて調整する。

<留意点>
・ まねるポーズは鏡の前に立った模倣(左右反転した鏡像模倣)でなく、相手の立場に立ってまねること(非鏡像模倣)。
・向かい合った相手の左右がわかるかを確かめる。
・ポーズはデッサン人形やイラストで提示してもよい。

子どもから大人まで行える「コグトレ」

以上、多岐にわたるワークの中から3つをピックアップしてみました。「コグトレ」は、「生きづらい子ども」たちだけではなく、一般の子どもから大人まで行うことができます。

頭を使う要素が多々あることから認知症予防にも効果が期待できると考えます。ぜひ、皆さんもお子さんと一緒に楽しみながらチャレンジしてみてください。

宮口 幸治 医学博士、立命館大学総合心理学部・大学院人間科学研究科教授

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みやぐち こうじ / Koji Miyaguchi

立命館大学教授、(一社)日本COG-TR学会代表理事。医学博士、児童精神科医、臨床心理士、公認心理師。大学病院精神神経科、精神医療センター等に勤務の後、医療少年院、女子少年院医務課長として非行少年の治療教育に従事。2016年より現職。困っている子どもたちを教育・医療・心理・福祉の観点で支援する「日本COG-TR学会」を主宰し、全国で支援者向けに研修を行っている。主な著書に、80万部を超えた『ケーキの切れない非行少年たち』(新潮社)、『「立方体が描けない子」の学力を伸ばす』(PHP新書)ほか多数。

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