不器用で「生きづらい子」を生きやすくする方法 すべての子に役立つトレーニングがある

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「認知力」アップのワーク 集中力をつける

<ねらい>
注意・集中力、ブレーキをかける力、自己管理力を養う。

<進め方>
① まず、「目標時間」を書く。スタートの合図でリンゴの数を数えながらリンゴにチェック印をつけてもらう。数え終わったら個数を下の欄に記入し、手を挙げさせて、かかった時間を伝える。時間は「今回の時間」の欄に記入する。その後、目標時間が適切であったかと、その理由や感想を聞いてみる。時間の上限は5分とする。

② ①と同様に進めるが、リンゴの横に害虫があるときは、数えず、チェック印もつけない。

<ポイント>
・スピードよりも、ルールに注意して慎重に取り組む力をつけさせる。リンゴの数が間違っていたら、どこが間違っていたか確認させる。
・目標時間と結果を比べることで、自己管理する力を養う。

<留意点>
・すべてのリンゴをチェックしてあとから数えるのではなく、リンゴの数を数えながらチェックすることに注意する。

他者への共感や思いやりの力を養うトレーニング

対人力アップのワーク 感情コントロール

<ねらい>
友だちの悩みに寄り添い、適切に声をかけてあげることで他者への共感や思いやりの力を養う。

<進め方>
Aさんの悩みに対し、B君、C君が声をかけている。AさんはB君の声かけにはがっかりし、C君の声かけには気持ちが楽になっている。それぞれがどんな声かけをしたのか想像して、書いてもらう。

<ポイント>
・いかにAさんの立場になって考えることができるかがポイント。自分の似たような体験を思い出してもらい、そのときにはどのような声かけがほしかったかを書いてもらうとよい。
・非現実的な声かけだとしても、ここではAさんに共感し、思いやることが目的なので、1つの声かけとして受け取ってあげよう。

<留意点>
自分に対してはできなくても、他人への声かけの言葉は、意外と思いつくもの。子どもの実際の行動と違うような矛盾があっても指摘せず、うまく声かけができたことを褒める。他者に対して行った声かけは、Aさんと同じ立場になったときの心の助けとなったり、同じようなケースの同級生に対しても優しく接するきっかけになる。

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