ガザの飢餓「意図的に食料と水が断たれる」「食料配給所に来た人を攻撃」…飢えを"紛争の道具"とするイスラエルの非道

1歳の男の子と妊娠8カ月の母親が共に栄養失調に陥っている。ガザ北部の診療所にて=2025年6月4日(写真:ⓒ Nour Alsaqqa/MSF)
パレスチナ・ガザ地区で、イスラエル当局が「紛争の道具」として人びとを意図的に飢えさせる状況は、かつてない深刻さに達している。
国境なき医師団(MSF)は、患者や医療従事者自身も生存の危機に直面していると訴える(国境なき医師団の記事から紹介します)。
意図的に作り出された「飢餓」
MSFの診療所では、栄養失調の患者が急増しており、MSFスタッフ自らも十分な食料を確保するのが厳しい状況だ。
最近、6カ月から5歳までの子どもと妊娠中・授乳中の女性を対象に行われたスクリーニング検査では、25%が栄養失調と診断された。5月18日以降、MSFガザ市診療所では、栄養失調患者の登録数が4倍に増加し、5歳未満の子どもの重度の栄養失調率は過去2週間だけで3倍に急増している。

MSFガザ市診療所で、診察前の患者にMSFスタッフが栄養失調について説明する=2025年6月4日 Ⓒ Nour Alsaqqa/MSF
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