ガザの飢餓「意図的に食料と水が断たれる」「食料配給所に来た人を攻撃」…飢えを"紛争の道具"とするイスラエルの非道
「イスラエル当局は、ガザへの食料と援助物資の大規模な搬入を直ちに認めるべきです」と、ガザ市のMSF診療所でプロジェクト・コーディネーターを務めるキャロライン・ウィルメンは話す。
「物資の不足がもたらす深刻な影響を、私たちは診療所で毎日、目の当たりにしています。栄養失調の新規患者を、今では毎日25人受け入れています。同僚たちの疲労と飢えも、明らかに深刻です」
人道援助ではなく戦争犯罪
一方、「ガザ人道財団(GHF)」が運営する食料配給所では、切実な支援を求める何百人もの人びとが、イスラエル軍や民間警備員による攻撃を受け続けている。
「私たちが目撃しているものは、到底許されるべき行為ではありません。ガザの住民が意図的に食料と水を断たれるなか、イスラエル軍は食料配給所でわずかな食べ物を求める人びとに対して、日常的に虐殺を繰り返しています」と、MSFのガザ緊急対応責任者、アマンダ・バゼロ—ルは話す。

現地保健省によると、過去2カ月間で、援助物資を求めた人びと1000人以上が殺害され、7200人以上が負傷。その多くは、アメリカ政府が支援及び資金を提供するGHFの配給拠点で発生している。これらの拠点は援助物資の横流しを防ぐ目的で設置されたにもかかわらず、略奪行為を軽減する措置は一切取られていない。
MSFのガザ副医療コーディネーター、ムハンマド・アブ・ムガイシーブ は次のように話す。
「小麦粉の袋を手に入れる見込みと同じくらい、頭に銃弾を受け倒れる可能性がある——ガザ人道財団の食料配給所に行く人びとは、そう理解しています」