ガザの飢餓「意図的に食料と水が断たれる」「食料配給所に来た人を攻撃」…飢えを"紛争の道具"とするイスラエルの非道

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MSFの医療チームは、GHFの拠点で負傷した人びとに加え、小麦粉を求めトラックを待つ間にイスラエル軍に繰り返し攻撃された数十人の人びとも治療してきた。

「数日前、シェイク・ラドワン診療所の救急室に、死亡者と負傷者を含む数十人が運び込まれました」と、プロジェクト・コーディネーターのウィルメンは話す。

彼らは小麦粉を求めてトラックに近づいたところ、イスラエル軍に容赦なく撃たれたのです。
キャロライン・ウィルメン MSFプロジェクト・コーディネーター

その日、ガザ北部の診療所では、MSFと保健省の医療チームは、小麦粉の配給を待つ間に銃撃を受けた122人の患者を治療した。46人は到着時に死亡が確認された。

MSFガザ市診療所
配給所で銃撃を受けた患者の治療にあたるMSFスタッフ=2025年6月19日(写真:Ⓒ Nour Alsaqqa/MSF)

食料そのものがほぼ存在しない

また、およそ1週間前、病院の患者や医療従事者に食事を提供していたコミュニティ・キッチンの活動継続が困難となり、一部は数日間にわたり営業を停止している。

こちらは国境なき医師団(MSF)の活動ニュースからの提供記事です

それにより、さらに状況が悪化している。たとえ食事が届くことがあったとしても、栄養価の高い食事を必要とする患者にさえ1日1食の米のみで、医療従事者にはほとんど何も提供されないこともある。

ガザでは食料はもはや“買えるかどうか”の問題ではない──ガザの多くの場所で、食料そのものがほぼ存在しない。

MSFガザ市診療所
MSFガザ市診療所で栄養失調の診察を待つ患者たち=2025年6月4日(写真:Ⓒ Nour Alsaqqa/MSF)
国境なき医師団 非営利の医療・人道援助団体
こっきょうなきいしだん / Kokkyonaki ishidan

民間で非営利の医療・人道援助団体。紛争地や自然災害の被災地、貧困地域などで危機に瀕する人びとに、独立・中立・公平な立場で緊急医療援助を届けている。現在、世界約75の国と地域で、医師や看護師をはじめ4万9000人のスタッフが活動。1971年にフランスで設立、1992年には日本事務局が発足した。日本国内では、援助活動に参加する人材の採用・派遣、人道危機や医療ニーズを伝える証言・広報活動、現地医療活動を支える資金調達などを行っている(2022年実績)。

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