なんでも「正解」が欲しい日本人に足りない視点 オックスフォード大学式チュートリアルとは
1つの答えを出すより、「いかに考えるか」が重要
私たちはいま、前例のない「答えのない時代」を生きています。国際情勢から為替の変動、そして新型コロナウイルスまで、「未知なこと」や「予測不能なこと」が日常的に勃発し、一つひとつの出来事が複雑に影響し合って、日々の生活や働き方などが思わぬ方向に進む事態も発生しています。その変化の速度は、ますます加速しているといえます。
このような状況下では、すべての問題を解決してくれる唯一無二の答えなど存在しません。そんな「答えのない時代」に、自分にとって必要な答えを導き出すためには、どんな能力が必要なのでしょうか?
その1つが、考え方の考え方、つまりは「考え方の軸」を持つことです。万能な答えのない状況では、1つの答えを追求するより、「いかに考えるか」ということのほうが重要だからです。
私はイギリスのオックスフォード大学大学院で、答えのない状況での考え方の軸を本格的に学びました。オックスフォードに入学して驚いたのは、教授と学生が1対1、もしくは1対2で対話をしながら学ぶ「チュートリアル」という指導体制がとられていたことです。
多くの大学では、講義における議論への参加ぶりや提出した課題の内容によって評価されるのに対し、オックスフォードではこのチュートリアルこそが、学びの中枢になります。
まずは、そのステップをご紹介しましょう。
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