名門「麻布」卒業生の生き様に見えた自由の本質

わが子を「ヘタレ」にしないためにできること

超進学校ながら極めて「自由」な風土が根付いている麻布中学校・高等学校の本質に迫る(筆者撮影)

東京都港区にある麻布中学校・高等学校は「自由な学校」の代名詞として知られている。制服もなければ校則もない。不文律として「授業中の出前は禁止。校内での鉄下駄は禁止。麻雀は禁止」の3項目があるだけだ。麻布がいかに自由であるかを表現するネタである。

子どもにしてみれば「制服を着なくていい!」「自由っぽい!」というだけで十分に魅力的であるわけだが、わが子をただの優等生で終わらせたくない欲張りな保護者層にとっては、東大合格者数ランキングトップ10常連でありながらこの底抜けに自由な校風という「ギャップ萌え」がたまらないのだろう。

東大合格十傑ながら底抜けに自由な校風

戦後、新制の中高一貫教育一期生が卒業した1954年から現在までずっと、東大合格者数ランキングトップ10から一度も外れたことのない唯一の学校でありながら、一度もナンバーワンになったことがないというのも味わい深い。

しかし真面目な話、それが“おいしい”と私は思う。ナンバーワンになってしまえば、「麻布だから」ではなく「トップの学校だから」という理由で入ってくる生徒が増える。そうなると麻布の校風を守ることは難しくなる。

では、そうまでして(?)守るべき校風とは何か。かくいう私も麻布卒業生だが、拙著『麻布という不治の病 めんどくさい超進学校』では、元自民党総裁・谷垣禎一さんからプロゲーマー・ときど(本名:谷口一)さんまで、さまざまな年代の9人の麻布卒業生へのインタビューを行った。

根拠なき自信、へ理屈と帳尻合わせ、詰めの甘さが共通する、「麻布病」とでもいうべき9人のユニークな生き方自体が興味深いのだが、そのなかでも「麻布の御旗」と思われている「自由」について語ってくれた箇所をいくつか抜き出し、麻布生に限らず10代のうちに学校という空間で体験しておきたい「自由」について考えてみたい。

加計学園問題で一躍時の人となった元文部科学事務次官の前川喜平さんは、自由という概念を捉えるのに、東大法学部で学んだ「芦部憲法」と東大仏教青年会での仏教研究と麻布での学園紛争の3つを並べる。

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