名門「麻布」卒業生の生き様に見えた自由の本質 わが子を「ヘタレ」にしないためにできること

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ヘタレとはつまりシステムにとらわれた不自由な人ということができる。宮台さんに言わせれば、「ネトウヨ」はヘタレの最たるものである。

「この前、僕がラジオで言ったのは、せっかくロックダウンして街から人がいなくなったんなら、新宿でも渋谷でも青姦しろよって話です。だって世界中が廃墟だよ。世界の終わりに2人だけでセックスしてるって、最高にロマンチックなシチュエーションじゃないか。本当にやるかどうかは別にして……、と断っておくけど、少なくともそういう感受性をもっていてほしい」(宮台さん)

「FREE FLAT FUN」が麻布そのもの

著書『1分で話せ』が40万部を超えるベストセラーとなり「プレゼンの神」と呼ばれる伊藤羊一さんは、自らがモットーとして掲げる「FREE FLAT FUN」が「なーんだ、回り回って麻布そのものじゃん!」と割と最近気づいたという。

「『FREE』っていうのは、好き勝手にやるという意味ではなく、あらゆる常識とか当たり前から解放されようという意味です。『FLAT』は、人にはそれぞれのモノサシがあって、それらは優劣のつけられるものではないということ。『FUN』は、『何が楽しいの?』。言い換えれば『アンタ、何なの?』ですよね」(伊藤さん)

東大卒プロゲーマーのときどさんは、大学院進学で希望の研究室に入れなかったときに感じた失望を語ってくれた。どんなに情熱を傾けて取り組んで高い成果をあげていても、テストの点数が足りなければ「さようなら」。日本を支配するそんな「東大システム」に対する失望だ。同時に、たまたま勉強が得意で麻布にも東大にも入れてしまったが、それはただ社会システムに乗っかっていただけで、それまで自分の人生において何1つ自分では決断していなかったことに気づいてしまう。

「大学院をやめようと決めて、普通に就職するかゲームの道で食っていくかを本気で考えたときに、ようやく自分の声が聞こえたんですよ。あそこが人生のターニングポイントですよね。本当にスッキリしました」(ときどさん)

話を聞きながら、ときどさんはこのとき本当の意味で自由になったのだと私は感じた。

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