共通テスト「日本史」で高得点を取る4つの戦略 「問題内容の変化」を正しく把握しよう
しかし、共通テスト試行調査では、上げ米の制について以下のように問われたのです(一部を簡略化・修正しています)。
(選択肢①・②・④は省略)
選択肢の仮説を検証するという形式は目新しいものですが、この形式を通じて何が問われているのかがポイントです。知識だけで判断すると、上げ米の制によって参勤交代による江戸滞在期間が半減すれば出費も減るので、「大名には喜んで迎えられた」という仮説は成り立つように見えてしまいます。
しかし、「江戸で育って江戸を故郷と思うようになる」「国元にいるよりも江戸行きを楽しみにする」という設問の条件(設定)との関連性が問われているので、江戸滞在期間が半減することは「大名には喜んで迎えられ」ない、つまりこの仮説は成り立たたないと判断します(これが正解となる)。覚えている知識だけで判断すると不正解となってしまう、という仕掛けがあるのが共通テストでの注意点です。そこで、
という姿勢をもって、問題演習に臨むことが大切です。
時期判定の問題は、抽象的な文章にヒントが
時期判定の問題では、抽象的な文章から具体的な歴史的事象を想起する
正答率が60%の問題でも、詳細に分析すると、成績上位層はほとんどが正解できていたのに、成績下位層はほとんどが間違えていた、というケースがあります。こういった、実力や学習進度によって出来具合に大きな差が生まれるのが、歴史的事象の時期を判断して解く問題です。
実は、ここにもセンター試験と共通テストとの違いがあります。センター試験では、具体的な歴史用語から時代を特定できればOKでした。例えば、室町時代の戦乱について3つの文章を年代順に配列する問題で、文の1つが「細川勝元と山名持豊の対立が、大きな戦乱に発展した」というものがありました(2010年度本試験より)。これらの人物が関与した応仁の乱(1467~1477)という出来事を想起し、さらにこれが15世紀後期ごろだとわかれば、年代順に並べることができます。
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