ヤフーの“右脳”が開発した、「さわれる検索」 「クジラ」と言えば本当に“クジラ”が出てくる!

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:スローガンが人事評価に影響するとなると、現場はやることが明確になりますね。「さわれる検索」のプロジェクトもかなりのスピードで動かれた?

内田:荒波からゴーサインが出たのは昨年の5月ころで、9月にはすでに形になっていました。ヤフートピックスは13文字の短い字数でニュースの見出しをつけますが、そうした短く簡単なことをよしとする文化があるように感じます。

:会議とかは頻繁にあるものなんですか?

荒波:そんなにはしていないはず。話を聞いて、すぐ結論を出すのがポイント。

:上司の判断が速い。そこも「爆速」。

荒波:そうです。判断を速めて、課題をためないように心掛けています。

内田:ビジョンを短く明確に伝えてくれるので、現場も理解しやすいと感じています。長ったらしいと何をしていいのかわからなくなるから。シンプルで一本軸の通った指示が上から降ってくるのがヤフーのいいところだと思いますよ。

:「爆速」「10倍」、そして「アート」。確かにどれをとっても短いフレーズだ。でも、ビジョンは明確ですね。最後に、今後、ヤフーでどんな仕事をしていきたいですか?

内田:「さわれる検索」がよかったのは、未来を示せたことだと思っています。明日でもなく、10年先の未来でもない、2~3年先の近未来を示すことによって、それがフラグとなり、皆がそこを目がけて進んでいくことができる。そういう期待感を抱かせる仕事をし続けたいなと思っています。

「今はこうだけど、この現状を打ち破ったらこんな面白くなるね」というような未来を切り開く仕事がしたい。大きなネット企業であるヤフーがそういう仕事をする意味は大きいと思います。

荒波:内田も言っていましたが、広告って消費者からすると面倒で邪魔なものだと思われがち。それを喜んで見ていただけるようにしたいなと思っています。そのためには本当に欲している情報を広告という形でお届けできるかどうかにこだわるのがひとつ。もう一つの要素としては見せ方の問題があります。これが、アートの部分にかかわってくると思うんです。面白いアイデアとか、ハッとするような表現があって、初めて消費者の心に刺さる。

そういう広告をヤフーのリソースを利用して実現していきたいと思っています。

「さわれる検索」は「アドフェスト2014(アジア太平洋広告祭)」のダイレクト部門で銅賞、メディア部門で銀賞を受賞した
 

(構成:宮崎智之)

嶋 浩一郎 博報堂ケトル共同CEO

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しま こういちろう

博報堂ケトル共同CEO・クリエイティブディレクター・編集者
上智大学法学部卒業後、93年博報堂に入社、コーポレートコミュニケーション局に配属。企業やブランドのPR・情報戦略に携わる。01年朝日新聞社に出向、「SEVEN」編集ディレクター。02年から04年博報堂刊「広告」編集長。本屋大賞の立ち上げに参画。06年既存の広告手法にとらわれないクリエイティブエージェンシー博報堂ケトル設立。カルチャー誌「ケトル」の編集長もつとめる。
主な仕事:KDDI、J-WAVEなど。主な著書『嶋浩一郎のアイデアのつくり方』など

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