「ランキング好きな日本人」が生き辛い根本理由 他人の評価に惑わされすぎていませんか?

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当然ながら、他人の言動はコントロールできませんから、負のループは続いてしまいます。私が長年の海外生活を経て日本に帰国して驚いたのは、日本人の「受動攻撃性」の高さでした。

受動攻撃性とは、あからさまに怒りをぶつけて攻撃をするのではなく、無視、無関心、冷めてる、何も言わない、連続して遅刻やミスをするなどの無気力な態度で怒りや抗議を示すことを指します。

自分の意見を抑えることで自分を傷つけることも

私は日本人特有のこの性質を、満員電車の乗り降りのときに特に強く感じました。これも恐らく普段からいい人を演じていることからくる弊害なのだと思います。いい人は、自分の意見を持たない、もしくは自分の意見よりも他人の意見や価値観を優先させることによって、自分で自分を傷つけています。我慢し過ぎて自分の本当の気持ちややりたいことがわからなくなってしまいます。

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そのため、やる気を失い無気力に陥り、鬱を発症するケースさえあるのです。つまり、いい人でいることは、成功の妨げにもなるのです。

「いい人」になってしまう原因として、他人からの評価を気にしすぎることに一因があります。ですので、まずは他者評価ではなく、自己評価を重視しましょう。例えば、1カ月前や昨日の自分より成長できたかどうか、で判断してみてください。自己評価を積み上げていけば徐々に「いい人」を抜け出せるはずです。

私はオックスフォード大学大学院で学び、国連の行政官(社会統合支援担当)として、国連ニューヨーク本部PKO局、また南スーダンと東ティモールという二つの独立国の立ち上げ支援、和平合意の履行支援、元兵士の社会統合支援に従事しました。

そういった活動の中でも、最も求められているのは、形式的な言葉や流された意見よりも、「自分自身の体験や考え」であったのです。コロナ禍で、大量の情報があふれる中で、他人や世間からの情報に踊らされないためにも、大切な心得ではないでしょうか。

大仲 千華 マインドセットコーチ・トレーナー、明治学院大学教員

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おおなかちか / Chika Ohnaka

国連の行政官(社会統合支援担当)として国連ニューヨーク本部、南スーダン等で和平合意の履行支援、元兵士の社会統合支援に約10年従事。二つの独立国の立ち上げに関わり、80人強の多国籍チームのリーダーを務める。閣僚経験者も任命される国連PKO国際研修の教官に米軍専門家として唯一の日本人女性として務める。国連事務総長特別代表養成研修パネリスト、防衛副大臣向け勉強会プレゼンター、内閣府「平和維持・平和構築に関する研究会」委員。コーチングのプロとして自分の軸で生きる大切さを伝えている。オックスフォード大学修士課程修了。

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