産業医が見た生理前の不調が職場に及ぼす影響 月経が軽い女性上司が同性部下に厳しいことも

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ピルや漢方薬など薬での治療だけでなく、規則正しい睡眠、バランスのよい食事、適度な運動など、生活習慣の改善指導や、ストレスをため込みやすい人は、ストレスとの付き合い方など、医師や専門家から指導を受けることも、不調を改善するのに有効だ。

PMS・PMDDの知識がある上司はスマート!

「男性上司の方も、事前にPMS・PMDDのことを知っていたら、女性部下の見る目は変わるのではないでしょうか。男性上司が女性部下から相談されたときに、『ああ、それ知ってるよ。大変みたいだね』と言えたら、女性部下は『この上司、頼りになる!』となるはずです。

さらに、『余計なお世話かもしれないけど、婦人科にはかかってる? かかってないなら、今は治療もできるし、いい薬があるらしいから、この機会にかかりつけの婦人科を持つと、安心できるかもしれないよ』とアドバイスできたら、とてもスマートだと思います」

確かに、女性は学校の体育の授業を体調不良で休むときを契機として、体調不良を訴えると、男性から腫れ物に触るように扱われることが少なくない。そんな中、そういった対応をされるのは新鮮だ。

「月経が重いことは、悪いことではありません。それなのに、オープンに言えないこともつらさの一因となっています。とくに、生理休暇は法定休暇にもかかわらず、認知は高いですが、ほとんど活用されていないという調査結果があります(経産省調べ)。

生理休暇はPMS・PMDDには使えないので、有給消化している人も多いはずです。生理前にも使えるとか、在宅勤務に変えられるとか、もっと利用しやすく、もっと前向きに使える制度設計に変更できたらいいのにと思います」

月経前や月経中に不調を抱える女性は、早めに婦人科を受診しよう。

そして社内に周期的に不調に陥り、仕事のパフォーマンスが落ちる女性部下がいる上司は、一度話を聞いてみてはどうだろうか。「親身な上司」と捉えられるかそうでないかは、日頃からのコミュニケーション次第だ。

旦木 瑞穂 ライター・グラフィックデザイナー

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たんぎ みずほ / Mizuho Tangi

愛知県出身。印刷会社や広告代理店でグラフィックデザイナー、アートディレクターなどを務め、2015年に独立。グルメ・イベント記事や、葬儀・お墓・介護など終活に関する記事の執筆のほか、パンフレットやガイドブックなどの企画編集、グラフィックデザイン、イラスト制作などを行う。主な執筆媒体は、産経新聞出版『終活読本ソナエ』、鎌倉新書『月刊「仏事」』、高齢者住宅新聞社『エルダリープレス』、インプレス「シニアガイド」など。

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