ソフトバンクG、巨額の上場株投資に見えぬ戦略

孫正義氏は膨らむ「軍資金」を何に使うのか

アメリカ株に詳しいマネックス証券の岡元兵八郎チーフ・外国株コンサルタントは、「保有銘柄は王道な”ライトストック(正しい株)”が多い。さすが孫さんといったところ。単なるはやりではなく、今後5年、10年と上がっていく銘柄ばかりだ」と分析する。

現物株の投資に加えて、今回報じられたデリバティブ(オプション取引も含む金融派生商品)を駆使してさらなる利益を狙う様については「まるでヘッジファンドのようだ」と複数の市場関係者が口にする。

そこで関係してくるのが新たな投資子会社設立の動きだ。上場株の運用をSBGの主要事業とすべく、孫正義会長兼社長は8月の決算会見で投資運用子会社を設立することを発表した。会社側によれば、登記上の本社はアメリカで、運用業務はアブダビの拠点が担う。だが、誰がこの新会社のトップを務め、どれくらいの陣容で運用を行うかなど詳細は非開示だ。この新会社に対し、SBGは現金や保有資産を委託する。

過去にもデリバティブ取引で多額の利益

孫氏はこの新会社の設立にあたり、「運用手法としては直接投資のほか、リスクを抑えるためにデリバティブも積極的に活用していきたい」と語っている。

実は、SBGによるオプション取引は今に始まったことではない。孫氏は8月の決算会見で、ソフトバンク・ビジョン・ファンドが2019年1月に全株を売却したアメリカの半導体大手エヌビディア株の取引を例に、「プット(オプション)の買い」「コール(オプション)の売り」といったデリバティブ用語を交えて「結果的に数千億円の実現益を出せた」と胸を張った。

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