経営の効率化を求め、さほど高度な技術を求められない仕事を外部に委託する企業は少なくない。いわゆる、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の一種だ。日経情報ストラテジーが2012年5月に公開した調査結果によると、実施している日系企業は全体の21.9%だという。
しかし、このBPOを海外に委託している企業となると、極端に数が少なくなる。同調査結果によれば、海外に委託している企業は全体の5.8%。これは仮説にすぎないが、たとえ単純作業にすぎないとしても、業務レベルで日本語を扱える人材が海外に少ないことが背景にあるのではないだろうか。
とはいえ、BPOの最大の目的はコスト削減。だとするならば、一般的に海外よりも人件費が高いと言われる日本人の従業員よりも、より人件費の安価な海外に作業を委託し、企業の利益率を高めることが望ましいはずだ。そんな企業にお勧めなのが「ベトナム」である。
コストは日本の4分の1以下
サウザンドクレインは企業のマーケティング支援を行う会社で、2012年にベトナムに現地法人を設立した。そこでは、日系ディスカウントスーパーチェーンのポイントカードに関する会員情報の入力など、日本語によるデータ入力の作業がベトナム人の手によって行われている。
作業フローは、まず顧客企業から同社の日本オフィスに紙で情報が送られてくる。それを「スキャン隊」と呼ばれる部隊がデータ化し、東海地方に拠点を置くデータセンターに送信。それをベトナム人がウェブで閲覧しエクセルに入力。ベトナムからはデータを抜き取れないようセキュリティが敷かれている。
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