KPIをうまく使っている社長は何が違うのか? 会社と社員の好循環を作る7つのコツ
部下に丸投げではうまくいかない
KPIに基づいて経営することが効果的であることは、ビジネスにおいて今や常識です。しかし、KPIを設定しさえすればどの会社でもすぐにうまくいくというわけではありません。思うような効果が挙げられない、むしろ逆効果や弊害を生んだというケースもあります。
本稿では、KPI経営を成功させる7つのコツについて、実際の事例に基づいたケースを適宜紹介しながら検討していきます。
最近流行りのDX(デジタルトランスフォーメーション)やROIC(投下資本利益率)経営など、何事もそうですが、新しい仕組みや運動論が成功を収めるには、トップのコミットメントが欠かせません。
かつて日本でABC(活動基準原価計算)やリエンジニアリングが流行った際も、ある程度の成果を収めた会社は必ずトップの強いコミットメントがありました。逆に、失敗に終わった典型的なパターンは、トップが海外で流行っている経営手法を小耳にはさみ、部下の役員や部長に「これの導入をやってみろ」と丸投げしてしまったパターンです。
KPI経営を導入することで5年連続の赤字からV字回復を果たした部品会社A社のケースをご紹介しましょう。A社は同業の大手B社に買収されたのち、B社からB社のKPI経営に長けた新社長C氏が送り込まれました。もしA社の前社長がそのまま残っていたとしたら、スピーディなV字回復はなかったでしょう。C社長が本気でKPI経営に取り組んだからこそ成功確率が劇的に上がったのです。
KPI経営は「売上高〇〇利益率」のような財務数字だけを見て、その達成に邁進することではありません。「不良品率」や「納期遵守率」「営業の訪問件数」「リード(見込み顧客)から顧客になった率」など、製造や営業に代表される現場の可視化も行い、これらもKPIとして設定し、管理していく経営です。そのためには、財務の知識だけでなく、マーケティングや戦略、オペレーションなどに関する知見も必須です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら