コロナ禍で「しんどい」のは脳の使い方が問題だ 仕事とプライベートの孤独が疲れを増幅する
――ただ、集中していると1時間ってあっという間に過ぎてしまうので、作業を中断したくないときもあります。
そうですね。“ゾーン”に入っている場合は、そのままやり切ってしまってもいいと思いますよ。無理に休まなくてもいい。なぜなら、2~3時間ぐっと集中して仕事を早く終わらせることができるなら、トータルとしてデジタルデバイスを見る時間は減りますから。
――“ゾーン”に入る時間をどうやって捻出するかが大事ですね。
ええ。それには、先ほどネット疲労対策でお話ししたように、人とのつながりを強制的にオフにして、1つのことに集中する時間を設けることが大事。自分の集中を途切れさせる要因をできるだけ排除して、早く仕事を終えられる環境を整えることにこだわってみてください。
「睡眠時間は増えたはずなのに、眠れない」
――ほかにも、疲労に関してエンジニアが注意すべきことはありますか?
基本的なことですが、今後もリモートワークを続けるなら、自宅のデスク環境を整えることですね。
本来リモートワークとは、カフェでも家でもどこでも仕事ができる「働き方の規制緩和」が趣旨のはず。しかし今回、緊急事態宣言とともに広まったのは、リモートワークという名の“強制在宅勤務”。働く場所がオフィスから家に変わっただけでした。
座り仕事のエンジニアにとっては、デスク環境は非常に大事なはずなのに、それらを用意する間もなく強制在宅勤務が始まってしまい、調子を崩してしまった人も多かったと感じます。
あとは、睡眠の質を上げることも疲労対策では非常に重要です。
――リモートワークと睡眠の質に何か関係が?
大いにあると思いますよ。
実際、リモートワークに取り組む人が増えて、今までよりも「睡眠時間を確保できるようになった」という人は増えたんです。通勤に往復2時間かけていたとしたら、その2時間が浮いたことになりますからね。ところが、「眠っても疲れが取れない」という人も同じく増えたんです。