勝間和代「ネオライフハックで無理なく生きる」 今必要なのは、変化を味方につけるという視点

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勝間和代さんが今考えるライフハックとは?(撮影:疋田千里)
「コロナが私たちに突きつけた現実は何か。それは、あまりにも中央集権化しすぎた結果、過密かつビジーすぎる働き方や生活様式が、サステイナブル(持続可能)ではない、ということだと思います」
そう話すのは、経済評論家の勝間和代さんだ。ネオとは「新しい」、ライフハックとは「人生を豊かにする方法」という意味。先行き不安な今とこれからをよりよく生きるには、どうしたらいいのか。新刊『勝間式ネオ・ライフハック100』でも語られたニューノーマルの心構えについて詳しく聴いた。

新型コロナウイルス感染症が世界中で大流行したことで、私たちは今、歴史的な大変革期の真っただ中にいます。生物である以上、感染症から逃れることはできず、過去にもペスト、天然痘、チフス、マラリアなど、さまざまな感染症が幾度となく大流行しました。そのつど社会制度や経済状況、働き方、暮らし方が変化し、医療技術が発達すると同時に、感染症に強い体を得て寿命を延ばしてきました。

ところが、21世紀に入ってから、なんとなく私たちは感染症リスクのことを忘れてしまいました。SARSやMERS、新型インフルエンザ、エボラ出血熱などの感染症が次々に発生しても、栄養状態の改善や環境の整備、抗生物質の開発によって、昔ほど脅威に感じなくなったのでしょう。

そのため、私たちはいつでもどこでも自由に移動し続け、世界の至る所で集いました。とくに都市部には人が集中して、モノやサービスを当たり前のようにシェアし……。そんな現代社会は、実は感染症に対して非常に脆弱であったことを、今さらながらにして気づかされたのです。

すべて、よい方向に変えるきっかけとして捉える

世界中の多くの人が、ビルや工場などにぎゅうぎゅうに詰め込まれ、過密な状態で働いています。当然、通勤途中も過密になり、仕事場まで通勤可能圏内に立地する住居も過密です。

あらゆることが過密になると、快適性や利便性を保つために、電気やガスなどのエネルギーをたくさん使わなくてはいけなくなります。かねて地球環境のためにCO2の排出量の低減が叫ばれているのに、私たちは本気で改善しようとしませんでした。

また、職場や住居が過密になると、土地の価格が高くなるというデメリットがあります。すると労働生産性の伸びよりも、資本生産性の伸びのほうが高くなり、いつまで経っても、地主階級の人たちが豊かになって、労働階級の人たちは貧困のまま、という格差を解決することができません。

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