50代からの起業「不向きな職種」「向く職種」の差 起業に成功したアラ還7人のケースを一挙紹介

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最後に「法人化」しないフリーランスとしての起業例も紹介しておきましょう。

広告代理店で女性マネジャーを務めていたKさんは、50歳になる前年に退職、フリーとなって「終活」関連のビジネスをスタートさせました。

広告代理店に在職中、ベストセラー『週末起業』(藤井孝一/ちくま新書)に触発され、セミナーなどに通う中で選んだのが「終活」。親の介護が重なっていたことや、それまで培ってきた広告代理店でのスキルや人脈を活かしやすいという理由だと思います。立ち上げたサービスでは、遺影もメイクさん、スタイリスト、カメラマンまでファッション誌のスタッフを付けて撮影するのです。ニッチだが一定のマーケットがあったといいます。

女性に多い「通訳者」という選択

大きな設備投資もいらず、法人化の必要もない。ほとんどノーリスクのアイデア勝負ということで、フリーランスという選択肢もあります。

『50代 後悔しない働き方』(青春出版社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

フリーランスを選ぶ女性は多いです。50代女性では編集系、ライター系、通訳系が目につきます。なお、手話通訳も非常に女性が多い分野です。同時通訳レベルとなると、1人ではなく複数名で対応するので、人数が必要になるため、皆チームで動いているようです。

先日、三十数年ぶりに会った先輩は、フランス語の同時通訳者になっていました。大学時代にスペインに留学していた同期は、スペイン語検定1級に合格したと言っていました。通訳ではなく、長年の夢だった「スペインと日本をつなぐビジネス」を模索中だそうです。

このお二人は帰国子女ではありませんが、海外での事業を拡大しているメーカーなどでは、以前から帰国子女の女性をたくさん採用しています。その中からフリーランスの通訳者や技術翻訳者も生まれているはずです。とくに技術的なことに精通した通訳者は希少価値がありますので、所属する業界や担当業務上でのネゴシエーション(交渉)の需要を念頭に入れておくといいでしょう。

大塚 寿 エマメイコーポレーション代表取締役

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おおつか ひさし / Hisashi Otsuka

1962年、群馬県生まれ。株式会社リクルートを経て、アメリカ国際経営大学院(サンダーバード校)でMBAを取得。挫折の多かった10代、「もっとやれるはずだ」という想いと現実とのギャップに悶々とした20代を過ごした。なんとか現状を変えようと、リクルートの営業マンという立場から、社内外の大手企業・中小企業の管理職や経営者1万人以上にアドバイスを求めるが、その中でも40代を後悔している人が特に多いことを発見。その轍を踏まないように準備し、40代で自己実現を果たす。歴史上の成功者よりも、身近な市井の人の成功・失敗に学ぶことの合理性を痛感している。

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