人材活用の進化が財務評価を左右する--実証会計学で考える企業価値とダイバーシティ 第3回(全4回)

人材活用の進化が財務評価を左右する--実証会計学で考える企業価値とダイバーシティ 第3回(全4回)

明治大学商学部 大学院商学研究科
教授 山本昌弘

 前回「人材活用の評価が高いことと、財務総合や規模の評価が高いことに、正の相関がある」という事実が明らかになった。

 ただ、このことだけでは、規模が大きく財務評価も高いから多様な人材を活用する余裕があるのか、逆に、人材活用を進めることによって業績が向上するのか、互いの因果関係を判断することはできない。そこで、今回は過去の評価得点も使って、さらに分析を深めていく。

 表1は2008年から10年までの人材活用得点を3年平均してランキング(上位15社)したものだ。さらに各年の人材活用得点と最新(2010年版)の財務総合得点と財務格付けも掲載した。
■表1 人材活用得点(3年平均)ランキング
(注)東洋経済が算出したCSR評価の人材活用得点(100点満点)と最新の財務総合得点と財務格付けデータ(規模を除く)。最新は2010年データ
(出所)『CSR企業総覧』2010年版、東洋経済CSRデータなど
 ランキングを見ると、名の通った企業がズラリと並ぶものの、それぞれの財務総合得点は必ずしも高くないことがわかる。約3500社を対象にした財務評価ランキングの上位100社(100位の得点:3229点)に入っているのは、15社中わずか5社。中でも先日、会社更生法の適用を申請した9位の日本航空(JAL)の得点は特に低い。
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