いよいよ次の部屋では、コンバットスーツを着たポリフィーロが、恐ろしい敵と戦うことになる。マルチメディアを使った参加型のインスタレーションだ。鑑賞者の動きに合せてスクリーン上のコンバットスーツが動き、敵と戦う仕組みになっている。
その先には、聖なる光を浴びて、戦いで失われたエネルギーをチャージする部屋があり、ポリフィーロは戦いに勝ってポーリアを救うことに成功する。
そして最後は、戦いに勝利して凱旋する様子が描かれる。黒地に白いチョークで描かれた絵をじっくり見ていくと、「宇宙戦艦ヤマト」、ウルトラマンシリーズ、鉄人28号、風神雷神など、どこかで見たようなキャラクターが紛れ込んでいる。
ポリフィーロは勇敢に戦ってポーリアを救い、世界でいちばん強いのは愛の力、愛はすべてに勝つ、というハッピーエンドになりそうなのだが、ポーリアが感謝のキスをした途端……というストーリーになっている。
テーマパークのようにも楽しめるし、解説を読みながら、作品の細部に込められた意味を探っていくこともできる。何より、フランスで日本のサブカルチャーを吸収したビュフの作り出す世界が新鮮だ。
2014年4月19日(土)~6月29日(日)
原美術館
東京都品川区北品川4-7-25
Tel 03-3445-0651
11:00~17:00(水曜は20:00まで、入館は閉館の30分前まで)
月曜日休館(5月5日は開館し、5月7日は休館)
一般1100円、大高生700円、小中生500円(学期中の土曜日は小中高生は無料)
次の2会場でも関連する展覧会が開催される。
「ポリフィーロの手帳」 2014年4月24日(木)~6月1日(日) アンスティチュ・フランセ東京ギャラリー(飯田橋)
「ポーリアの悪夢:ニコラ ビュフ」 2014年5月31日(土)~6月28日(土) 山本現代(東京・白金)
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