「ゲームは勉強の邪魔」と見下す大人達の勘違い 「上達する方法」はゲームも勉強も一緒だ

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私もプロゲーマーとなるまで、自分なりに「ゲームと勉強の両立」に取り組めていたように感じる。私がプロゲーマーになったきっかけを少し語らせてほしい。新書『eスポーツ選手はなぜ勉強ができるのか』を書くことになった動機にも関わっている。

高校は鹿児島県で最もレベルの高い公立高校といわれる鶴丸高校に入学できた。その理由としては、「勉強のモチベーションをうまく維持できた」ことがあるように思う。

小学校の中学年くらいまではあまりテストの点数はよくなかったのだが、マンションの隣に住んでいた同級生というライバルがおり、彼とテストや通信簿の成績を競い合っていたことが、私のなかで「勝つことの喜び」や「負けることの悔しさ」の原体験だったように思う。

また、いい結果が出ると祖母からご褒美をもらえるなど、頑張りが形として報われていたこともモチベーション維持には大きかった。中学3年の受験期に学年トップ10争いに食い込むと、彼らに勝ちたいという対抗心もさらに大きくなり、定期テストの結果が出るたびに皆で集まって成績を見せ合い点数を競っていた。

大学入学後に『スマブラX』にハマる

その結果、鶴丸高校に進学できた。だが、中学校と違い全員がいわゆる“トッププレイヤー”のような環境で、一気に下位30%くらいにまで成績が落ち込み、心が折れてモチベーションを失ってしまう。ただ、そのなかでも好きだった英語と生物の成績でなんとか食らいつき、鹿児島大学農学部に入学できた。

大学に入学した頃、スマブラシリーズ3作目『スマブラX』が発売され、たちまちのめり込んだ。SNSを通じて鹿児島のスマブラプレイヤーたちと実際に会って対戦し仲良くなり、同じ趣味の人とつながる楽しさを知った。

もっとたくさんの人と対戦してつながりたいと思い、夜行バスに乗って東京や大阪の大会に頻繁に遠征しにいったりするなど、ゲーマーとしての活動にも精力的になり始めた時期だった。

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