「ゲームは勉強の邪魔」と見下す大人達の勘違い 「上達する方法」はゲームも勉強も一緒だ

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株式会社アスマークが2019年に行った『ゲームと子どもに関するアンケート調査』では、子どもにとってゲームは「いい影響があると思う」と答えた親の割合は24.2%と全体の4分の1以下にとどまった。

また、父親より母親のほうが割合は低く、20%未満だった。具体的な影響については、「考える力や想像力が付く」というポジティブな意見がある一方で、「情緒不安定になりイライラする」といった意見やコミュニケーション力の欠如が懸念されていたり、「宿題もしないでずっと(ゲームを)やっている」といった、一種の依存に近い状態になってしまったりする、という声が上がっている。ポジティブな意見よりネガティブな意見のほうが具体的だ。

ゲームばかりやると勉強をしなくなって頭が悪くなる――そう思っている子育て世代の方がいるかとは思うが、はたして本当にそうなのだろうか?  少なくとも私の知っている限りでは「ゲームをやりまくっていたのに、勉強ができる」という人がたくさんいる。

東大・京大「高学歴eスポーツ選手」は多くいる

私の身近な例を挙げると、日本初のプロスマブラプレイヤー「aMSa(あむさ)」は東北大学の宇宙地球物理学科卒業だし、日本を代表するプロスマブラプレイヤー「Abadango(あばだんご)」は東京農工大学大学院でプログラミングを学び、修士号を得ている。

ほかにも、元GameWith所属のトッププレイヤー「Shogun(しょーぐん)」は京都大学卒業であるなど、スマブラ界だけで見てもトッププレイヤーで高学歴の人は多いし、大卒というくくりで見ると、その割合はかなり高くなる。

スマブラ以外の例を挙げると、「ときど」は東大卒プロゲーマーとしてさまざまな大会で実績をあげる傍ら、著書を複数出版しており、ゲーマー以外の層からも人気と支持を得ている。

ニンテンドースイッチソフト『ARMS』の世界大会で優勝した「KHU(こへう)」も東大卒だが、彼はそれに加えて法科大学院を修了後、司法試験に合格したなど、さまざまなジャンルで最上位かつ高学歴というプレイヤーが存在する。

視点を現役の学生へと移すと、2017年に開催されたパソコン用オンライン対戦ゲー『League of Legends』の学生サークル日本一を決定する大会「オール・キャンパス・シリーズ」では、東京大学のサークルが優勝し、300万円相当の商品を獲得している。高校対抗のeスポーツ大会「STAGE:0」(2019年)では、『クラッシュ・ロワイヤル』部門で都内有数の進学校である渋谷教育学園渋谷高等学校が優勝した。

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