「ゲームは勉強の邪魔」と見下す大人達の勘違い 「上達する方法」はゲームも勉強も一緒だ

拡大
縮小

このように「高学歴である」と「ゲームがうまい」という肩書きをあわせもつ事例はいくらでもある。ただし、私はここで「学校での成績がいい人=ゲームが強い人」と言いたいわけではない。

大学に行っていないトッププロゲーマーも、もちろん数多く存在する。その最たる例が、日本最初のプロ格闘ゲーマーにして、「世界で最も長い期間賞金を稼いでいるプロゲーマー」としてギネス世界記録に認定されている「ウメハラ」こと梅原大吾だ。

彼は高校卒業後、一度は格闘ゲームの道を退き、介護職などさまざまな道を模索していた時期があった。だが、自分には格闘ゲームの道しかないのだと決心し、プロゲーマーという職業がほとんど知られていなかった2010年以降、ずっと第一線で活躍している。彼の偉業やゲームに対する真摯な姿勢、そして魅力的な人柄は、私を含め多くのプロゲーマーの憧れであり、なかなか追いつくことのできない目標だ。

なぜゲームが強い人は、頭がいいのか?

私はプロになる以前、所属するウェルプレイドで、企画職として働いていた時期があった。また、プロゲーマーとなってからも、同社が運営するウェブメディア『ウェルプレイドジャーナル』でプロゲーマーにインタビューしたり、記事を書いたりしてきた。

そのため、スマブラのみならず、さまざまなゲームのトッププレイヤーと交流してきており、彼らがどのようにして強くなっているのか、現在どうやって強くなろうとしているのかについて話を聞く機会が多かった。

そうしたなかで浮かんできたのが「ゲームが強い人は、なぜ頭がいい人が多いのだろう」という漠然とした疑問だ。

トッププロゲーマーには、高学歴の人が多い。たとえ大学進学という道を選ばなかったプレイヤーでも、頭の回転が速かったり、緻密な思考力を備えていたりとタイプはさまざまだが「賢い」のである。

この、「ゲームが強い人は、なぜ頭がいいのだろう」という問いの答えは何だろうか。

次ページゲームと勉強をなぜ両立できるのか?
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT