「80歳まで雇用延長」が迫るキャリア戦略の激変 雇用年齢上限の引き上げは年功序列を崩すか

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雇用を80歳まで延長できる制度を導入する動きも出てくる中、個人としてのキャリア戦略も見直しが必要になってきている(写真:Fast&Slow/PIXTA)

家電量販店のノジマは、すでに65歳まで延長している定年のあとも、健康状態や勤務態度を考慮し、1年契約を80歳まで延長できる制度を導入した。

大手企業が80歳まで雇用期間を延長するのは、珍しい試みだ。そうした事情も手伝って、今回の制度導入が報じられた直後から、ネット上では大きな話題となっている。

実は、ノジマのこうした動きは、同社以外で働く日本のビジネスパーソンにとっても他人事ではない。ウィズコロナのキャリア戦略という観点から、足元で起きている変化について考えてみたい。

ウィズコロナの長期化で動きが加速

先週は、東京では1日当たりの新型コロナウイルスの新規感染者数が300人前後、大阪でも100人超、全国では700~1000人となり、ウィズコロナの期間が長引く可能性が高くなってきた。

すでに少なからぬ企業で在宅勤務が定着化し、それに伴って仕事のやり方が、人に対して仕事を割り当てる「メンバーシップ型」から、明確に定義された“職”に対して必要なスキルを持った人間を雇用する「ジョブ型」に変わるのではないか、と言われている。

ウィズコロナの長期化はこうした傾向を助長するものだ。わが国の高齢化の進展とそれに対応する定年延長問題も相まって、ジョブ型への動きは今後、一段と加速していくものと考えられる。

こうした流れに一足早く対応してきたのが日立製作所だ。

同社はリーマン・ショックの影響で、2008年度に7873億円の巨額最終赤字を計上。2010年に経営を引き継いだ中西宏明社長(当時)は、①従来の日本市場中心の考え方を改めグローバル事業を拡大すること、②従来のプロダクトアウト的発想から顧客に必要な価値やサービスを提供する社会イノベーション事業を推進すること、の2つを柱に掲げ、経営改革を進めた。

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