「ハワイが大好きな年代の人たちが歳を重ね、年に1回のハワイがきつくなってくる。3世代で年に何回でも来られる沖縄にハレクラニがあったら、どれだけ喜ばれるか。ぜひ沖縄にハレクラニを持ってきてほしい」
「ハレクラニ沖縄」の開発が、ブランド選定含めまだ検討段階にあったころ、オーナーの三井不動産の経営幹部にこう“懇願“したのは平良氏だった。進出決定の報告に感謝を伝えただけではない。ホテルスタッフのための寮400室の提供を約束。恩納村のホテル近くに新たに3棟の寮を建設し、実際に活用されている。
平良氏は「農業から加工生産、サービスまですべての産業が詰まったフルサービス型ホテルの質を高めていくことが、沖縄全体の産業の発展に大きく貢献する。だからこそ、かりゆしの分だけじゃなく、いかにその幅を広げていくかに力を注ぎたい」と話す。
地域生かすノウハウ、アジア輸出を目標に
地域の人や企業を巻き込みながら「沖縄らしさ」を掘り起こしてきた地元企業の経験と、世界に通用するサービスを創造してきた国内、海外ブランドのノウハウ──。沖縄には今、この両方の強みが蓄積されつつある。
進出企業が共通して求めるのは、沖縄にしかない文化、人、産物。地元企業が地域素材を生かす手法や経験を分け合い、学び合う先に見据えるべき目標は、観光産業が急成長してくるであろうアジア市場への展開ではないだろうか。
ハワイという小さな島の老舗ホテルの「ハレクラニ」が、世界の富裕層に愛されるようになってから、沖縄に進出を果たすまでに20年以上の歳月がかかった。
離島性や地域性は弱点ではなく、むしろアドバンテージとなって世界を魅了する。沖縄で融合、昇華した地域素材や人を生かすホテル事業のノウハウは、インターナショナルリゾート沖縄から輸出可能な企業の「技術」になり得る。県内ホテルがコロナ下で取り組む「質の追求」は、「アジア20億市場への展開」という将来の成長と出口戦略を意識したとき、観光客や従業員にとって、もっと具体的で実感の持てるサービスの革新となる。
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