台頭する中国に日本と英国の連携が鍵となる訳 共通課題として捉え、日英関係を新たな高みへ

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さらには、6月になると、香港問題を機に、イアン・ダンカン・スミス議員、超党派組織の国際的な議員のネットワーク、「対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)」の設立を議長として主導し、民主主義国諸国による連帯の強化を呼びかけたのであった。

第2に、過度な対中依存による政治的および経済的な警戒感の高まりが挙げられる。たとえばコロナに関しては、感染爆発時のマスクや医療機器の不足がイギリス国内に警鐘を鳴らした。とりわけ重要な動きは、7月14日にイギリス政府が通信網から華為技術(ファーウェイ)製の5G関連機器をすべて排除するという決定だ。2020年初頭の段階では、アメリカ情報当局が懸念を示す中で、イギリス政府は3年を超える検証の結果として、ファーウェイ製の5G関連機器が安全保障上問題であるという技術的証拠が見つからなかったという報告を行った。

ところが、今年の5月末にジョンソン政権は、従来の方針を大きく転換して、ファーウェイ製機器の排除を決断して、次世代通信網や関連技術の代替案を共同で模索するためG7にオーストラリア・インド・韓国を加えた民主主義諸国の提携、いわゆる「D10」という新たな枠組みの形成を提唱している。

対中認識が変化したイギリスの今後の方向性は不透明

これまで見てきたように、イギリスが対中認識を大きく転換し、対外政策における中国問題への対応の優先度合を引き上げたことは、日本にとっても重要な意味を持つ。イギリスは国連安保理常任理事国(P5)であり、また歴史的にインド太平洋地域と深い結びつきを持ってきた。

とはいえ、今後のイギリスの方向性は不透明でもある。イギリスが新たに提唱しているD10の枠組みでどの程度、実質的な議論が可能かは予断できない。6月にアメリカ大統領によってG7を改組して、ロシアも含めた「G11」の開催が提唱された際、日英両国政府ともにどのように対応するべきか苦慮していたことがそれを暗示している。

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