音楽がバイブルに
――パキスタン移民の高校生が、ブルース・スプリングスティーンの音楽に人生を変えられる物語というのは、日本人の自分としても共感できるものがあるなと思ったのですが、高橋さんはこの映画をどのようにご覧になりましたか。
パキスタン人がイギリスという文化の違うところに移住して、その中で虐げられながら、劣等感を味わいながらも生きていかなくちゃいけない。そういう中で、自分が信じられるものを見つけてそれを貫いていく。音楽が彼の中でのバイブルになっているわけですよね。非常に感情移入させられる映画でした。
――1987年という時代背景も大きいかなと思ったのですが。
この映画ではいろいろなことを考えさせられましたね。音楽やファッションはこんなものが流行っていたんだとか、イギリスという国の政治背景なども考えさせられた。
文化が違うところで生活するというのはどういうことなのか。今みたいに世界が簡単に結ばれておらず、偏見が多かった時代に、自国を離れなければいけなかったのはなぜなのか。この映画1本でいろんなことを考えさせられた。その中で音楽というものがひとりの人間の成長に大きな影響を与えているというのがすごいなと思いましたね。
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