コスト削減で転職者が増加? 業務の非効率化にモチベーションも低下
企業のコスト削減により、業務は非効率化し、社員のモチベーションは下がっている。しかも、モチベーションの低下から転職を意識する社員は少なくない。
NTTレゾナントが中小企業の社員に対して実施した調査で、企業のコスト削減が社員の働くモチベーションまで削減していることが浮き彫りになった。
コスト削減で業務は非効率化
リーマンショックのあった2008年9月以降、企業のコスト削減策で多かったのは1位が「コピー費の削減(カラーコピーの禁止、出力自体の抑制など)」、2位「残業禁止による残業代削減」、3位「交通費削減(出張抑制、タクシー代削減など)」となっている。即効性の高いコスト削減策を実施している企業が多いことがわかる。
「企業が実施したコスト削減に伴って、業務が非効率になったと感じますか?」との質問に対しては「ある」と答えた割合が52.1%と過半数を超えた。コスト削減によって、実務レベルで悪影響が出ているようだ。
「コスト削減によってなくなったものは何ですか?」との質問に「余裕」と答えたのが55.9%もあった。このままではコスト削減が社員のメンタルヘルスにも影響しかねない。
また、「コスト削減によってお客様とのつき合いがなくなった」と答えたのは17.2%。コスト削減で目先の利益は確保できるかもしれないが、取引先との円滑な人間関係を築けなければ企業の中長期的な発展は望めない。
「コスト削減によって働くモチベーションは下がると思いますか。」という問いに対して、「思う」が最も多く39.1%。
また、「大変思う」も22.1%で、両方合わせると60%以上がコスト削減で働くモチベーションを低下させていることが明らかになった。
そのほか、「コスト削減は、退職(転職)を考える際の一つの要因になる」と回答した人は37.8%と約4割。モチベーションの低下がロイヤリティの低下を引き起こしている。企業はコスト削減にあたって慎重に対応しなければならない。
(東洋経済HRオンライン編集部:田宮寛之)
【調査概要】
1.調査名称:『コスト削減と働くモチベーションに関する意識調査』
2.調査対象: 社員規模が10名~299名の企業に勤める20代、30代の社員
3.調査方法: 「gooリサーチ」上での公開型インターネット・アンケート
4.調査期間: 2009年12月18日(金)~12月21日(月)
5.有効回答者数:524名
6.回答者の属性:
【企業規模】 10名~49名:51.9% 50名~299名:48.1%
【年代】 20代:16.6% 30代:83.4%
※2008年9月以降にコスト削減(経費削減)が実施された企業の社員を対象
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