中国「ライブコマース」過熱の裏で問題急増の訳

消費者の苦情に対応し自主ガイドライン策定

ライブコマースは誰でも手軽に始められるが、取引のトラブルも少なくない(写真:プラットフォーム大手の抖音のウェブサイトより)

中国ではライブコマース(訳注:生中継のネット動画による実演販売)のブームが過熱するとともに、商品を購入した消費者からの苦情も急増している。そんななか、中国広告協会がライブコマースの規範化に向けた自主ガイドラインを策定し、7月1日に施行した。

ライブコマースに対する消費者の苦情は、いくつかの典型的な問題に集中している。中国消費者協会の調査によれば、例えば、販売者が(会社の実在や販売許可の有無を示す)証明書を明示しない、実演者が(虚偽や誇大な表現など)違法な宣伝をしている、生中継の説明と実際に届いた商品の品質が異なる、生中継の視聴者数や商品の販売数の表示を水増ししている、アフターサービスが受けられない、などだ。

プラットフォームやMCNも対象に

中国広告協会のガイドラインは、まさにこうした問題への誠実な対応を求めている。

特筆すべきなのは、その対象がライブコマースの実演者や商品の販売者だけでなく、システムを提供するプラットフォーム企業や生中継をサポートするMCN(訳注:マルチチャンネルネットワークの略称。動画メディアのタレントのマネジメントやコンテンツ制作を請け負う組織)を含んでいることだ。

本記事は「財新」の提供記事です

例えばプラットフォーム企業に対しては、商品の販売者がアプリに登録する際の審査の強化や、生中継での取引が適切に行われるようチェックすることなどを求めた。MCNに対しては、所属するタレントが法や規則を破ることがないよう教育やマネジメントの徹底を求めている。

もっとも、ガイドラインはあくまで自主規制であり強制力はない。そこで中国広告協会は、ガイドラインの遵守状況を調査・評価するとともに、ライブコマースのベスト・ワーストのランキングを公表するなどして業界の規範化を推進する考えだ。

(財新記者:銭童)
※原文の配信は7月1日

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
  • コロナ後を生き抜く
  • 日本と中国「英語教育格差」
  • 検証!ニッポンの労働
  • 岐路に立つ日本の財政
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
文具業界を揺るがす動乱<br>「コクヨvs.プラス」の全真相

昨年末のぺんてる株をめぐる文具2強によるプロキシーファイト(委任状争奪戦)。両社のバトルには、8月に設立したプラスの卸子会社が2年前の計画で一度頓挫していたことにも伏線が。縮小する文具業界再編をめぐる壮絶な主導権争いに迫ります。