アフリカのビッグビジネスで光る日本のブランド力、自動車を筆頭に重電、建機なども奮戦中!
アフリカのモータリゼーションは夜明け前の深い闇の中にある。1人当たりGDP1500ドルが自動車普及の境目といわれるが、ほとんどの国は遠く及ばない。アフリカ市場全体の3分の1以上を占める南アフリカ共和国でさえ1000人当たり保有率は150台。ナイジェリアはたったの8台しかない。
「アフリカは世界で最も複雑な市場」と言うのは日産自動車のジル・ノルマン執行役員。国によって言語はバラバラ、ハンドルの右・左も混在している。欧州並みの自動車関連規制がある国もあれば、規制自体がない国もある。
石油やその他天然資源の高騰で潤った2007年の新車販売は全土で135万台程度に達したが、資源バブルが崩壊した09年は100万台に落ち込んだ。ただ、ノルマン氏は楽観的だ。「30%減は確かに悪いが、ロシアの6割減、中東の5割減と比べればそう悪くない。資源相場は中期的には復活すると思われるし、なんといっても10億人の人口がいる。その60%以上が13歳以下で、彼らが今後次々とモノを消費するようになる。新車販売は早ければ12年には07年レベルに戻るのではないか」。
1950年代後半から進出し、「ピックアップ」や「サニー」などを販売する日産のアフリカにおけるシェアは8%と、世界シェア6%を上回る。「アフリカでは自動車は住宅の次に買う大きな資産。耐久性、品質、信頼性、販売後のサービスの受けやすさが重要で、われわれもそこに重点を置いてきた」とノルマン氏。今年はマーチ後継のグローバルコンパクトカー等を発売する予定で、11~12年にはルノーと共同でモロッコに新工場も開設する。「12年にはシェア10%に引き上げたい」と意欲的だ。