アフリカのビッグビジネスで光る日本のブランド力、自動車を筆頭に重電、建機なども奮戦中!
東芝も傘下のウェスチングハウスが南アのエネルギー企業の原子力部門を買収。受注活動やサービス事業の拡大を図っているが、本格展開はこれから。東芝はむしろ、鉄道事業で実績を積み上げている。
東芝は南アでは80年代以降累計200両以上の電気機関車用電気機器を納入、アフリカではエジプトに次ぐ実績だ。特に06年には110両の石炭運搬用電気機関車向け電気機器、32両の鉄鉱石輸送用の電気機関車向け電気機器といった大型案件を続けて受注した。
三菱重工業は09年6月、アフリカで最初の拠点としてヨハネスブルク駐在員事務所を開設した。アフリカでは年間200億~300億円程度の売り上げがあるが、エジプトを中心に北アフリカの案件がほとんど。そのためイスタンブール事務所と欧州の現地法人が対応してきたが、ようやくサブサハラ市場の開拓に本腰を入れることになった。「07年秋くらいまでは繁忙でアフリカまで手が回らなかった。景気悪化で余力が出てきたので、いずれ必要になると考えていた南ア拠点を出した」(三菱重工の斉藤卓美・海外戦略本部長)。
重視するのはエネルギー関連のプロジェクトだ。「南アのインフラ整備は進んでおり、送電網のメンテナンスや水力発電所の補修などの需要がある」(斉藤本部長)。さらに原子力発電所の新設などに期待する。
05年にはエスコムから10万キロワット級の小型原子炉(高温ガス炉)の炉内構造物の基本設計と材料調達を受注。金融危機で中断しているが、電力関係設備の潜在需要は大きい。
三菱重工は、エネルギー関連以外にもフォークリフトやグレーダーなどの産業機械、印刷機械や工作機械を代理店経由で販売している。ただ、需要はまだら模様だ。
6月に事務所を開設したものの、すべてが手探り。お披露目パーティを開くまでに半年近くの時間がかかった。当面は南ア市場で手一杯だが、中期的にはアンゴラ、ボツワナなども有望だとみている。