60秒の長編「ゼスプリ」CMが断トツ人気のワケ アニメ化、音声リモート収録したauも高評価

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2位はアサヒ飲料の『三ツ矢サイダー』。大野智と二宮和也がサイダーの飲み方に表れる嵐のメンバーそれぞれの個性について「人の世話を焼く人」「ポーズに隙がない人」などとコメントする姿を描いたCMが女性層を中心に得票した。

3、4位にはKDDI『au』の作品が並んだ。前者は来店回数の“上限”を超えたため竜宮城に入場できない浦島太郎(桐谷健太)をコミカルに描いたCMで、データ容量の上限がない料金プランを訴求した。後者は「三太郎」シリーズを初めてアニメ化した新CMで、6月前期の新CMで最も高いCM好感度を獲得。

三太郎にしっぽが生えていると指摘された大黒天が「ポーン!」などと言いながら彼らの目の前でタヌキの姿に戻ってしまう内容で、『au PAY』による支払いで『Pontaポイント』が貯まることをアピールした。

TVCM | au PAY「たぬきの正体」篇

本作はコロナ禍の影響により、おなじみのキャストがそれぞれ別の収録ブースから音声をリモート収録して制作されたという。また三太郎CMの初のアニメ化を記念し、本作のCMカットのぬり絵作品を募集するキャンペーンを展開。

投稿されたぬり絵を使ったアニメCMは、7月下旬に公開される予定だ。これまでどおりの撮影ができない状況を逆手に取り、デジタルとアナログをかけ合わせた斬新なアイデアで乗り切る姿勢は年間のCM好感度でナンバーワンを独走するauならではの取り組みと言えよう。

90秒3回オンエアでも支持を集めた『ボス』

トップ10以下で注目したいのは24位にランクインしたサントリー食品インターナショナル『ボス』のCM。トミー・リー・ジョーンズ扮する“宇宙人ジョーンズ”が「今日は、この惑星の住人たちにいくつかのアドバイスがある」と語るシーンに始まる。

滝に打たれる姿に「とにかく全力で手を洗おう」、コンビニ店員として働くジョーンズがボスの品出しをする姿に「もし缶コーヒーが飲みたくなったら、さっと買って、さっと出る」といったナレーションを重ねたほか、ラストでは人の少ない渋谷のスクランブル交差点の風景を映して「この惑星の住人は…やるときは、やる」というジョーンズのセリフで締めくくった。

過去の同シリーズの一場面とともに新型コロナウイルス感染症への対策や心構えを90秒で伝えた。本作は2006年のCM開始以来、14年間で制作した90作以上の中から19のシチュエーションをピックアップして制作。通常のCMはジョーンズが本国へ地球でのできごとをレポートするというフレームだが、このCMでは彼が初めて地球人にアドバイスをする様子を描いた。

懐かしいシーンの数々にクスッと笑えるユーモアを乗せて展開するもので、医療従事者へのねぎらいも交えたジョーンズの温かいまなざしが心に響く秀作だ。テレビ朝日『アメトーーク!』の特番をはじめ3回のオンエアにもかかわらず多くの支持を集めた。

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